・ ページ38
時間差で家に着いて、
臣さんはご飯を食べてきたみたいだけど、
私まだだからキッチンに立つと
臣さんも腕まくりをして隣に立った。
「何作んの？」
『えっと、この時間なので簡単な野菜スープを…』
「おっけい。俺やっとくから、風呂はいっといで？」
『え、そんな、悪いです。臣さんこそお風呂入ってください』
「俺がしてやりてぇの！野菜、何使ってもいい？」
私の背中を汽車みたいに押して、お風呂場へ向かわそうとする。
キッチンの入口で立っていると
「Aが疲れてるところ俺が来たんだから、俺がすんの」
って彼が笑窪を見せながら言った。
『……』
心臓がぎゅっっぅと鷲掴みされた。
免疫がなくて、心臓痛い。
冷蔵庫を開けて、キャベツや人参を出している臣さんに近づいて
後ろから腰に手を回し、抱きしめる。
『臣さん、大好きです』
臣さんは固まってしまって、
開けっ放しの冷蔵庫がピーピーと鳴り始めた。
その音にハッとして、冷蔵庫を閉める。
「ちょ、今のセリフ
後でそのまま押し倒せるときにもう1回言って？」
『んふ、嫌です。
ご飯、ありがとうございます。楽しみです！』
腰から手を離して、浴室に向かった。
洗面所の鏡に映った私は、やっぱり、嬉しそうだ。
シャワーを済ませて、
スキンケアや髪の毛を乾かしながら思う。
臣さんと付き合う前は、仕事はヘアメイクだったから
それなりに身なりには気を使っていたけど
付き合ってからはより、気をつけるようになったなぁと。
少しでも可愛く、少しでも綺麗に、飽きられないように。
おかげで洗面所の鏡の裏に収納されている
スキンケアやコスメ、ヘアオイル、ボディークリームは
すっかり一軍で揃えられている。
臣さん好きだと言った、ウッディーな香りのボディークリーム。
今日も念入りに体に塗り込んだ。
私の世界は臣さんが中心で
動いてるなんて言ったらなんて言うかな。
前までなら、きっと引かれるに違いないとか思うけど
今なら、きっと喜んでたくさんのキスをくれると思う。
こんな風に思えるようになったのは
臣さんが沢山の愛を伝えてくれるからだ。
ボディーケアも終わらし、
キッチンに戻ると美味しそうな匂いがした。
「YouTube見ながらやったんだけど、こんな感じであってる？」
『わぁ……、美味しそう』
臣さんが作ってくれる事実だけで美味しいそう。
なんて言ったら笑うかな？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 356人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
omigirl(プロフ) - りこさん» 最後までご覧頂きありがとうございました！光栄なお言葉にも感謝です☺️ (10月19日 21時) (
レス) id: 22df992226 (このIDを非表示/違反報告)
omigirl(プロフ) - maiki042625さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。思うことはみんな同じですね...😭 (10月19日 21時) (レス) id: 22df992226 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！陰ながら楽しませてもらってました！お話とても面白かったです！！ (10月18日 21時) (レス) @page42 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
maiki042625(プロフ) - 素敵な小説ありがとうございます。私も本を読んでずっとファンでいて良かった。と再確認しました(^^) (10月18日 21時) (レス) @page42 id: 624b9b8d42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：omigirl | 作成日時：2023年10月9日 20時
