8.傍に置く理由 ページ26
あの日を境に、私たちは明らかに壁ができた。
普通に話すし、笑い話もするし、
キスだってするし、素肌と素肌を重ね合ったりもする。
でも、どこか遠い。
臣さんは未だ、私を傍に置く。
そして、時々悩んでいるようだった。
きっと私が言った��好き��と��情��についてだと思う。
まだ私を傍に置くのは、その答えを知りたいからでしょ？
いっそのこと、罵倒されるように捨ててくれれば1番楽なのに。
剛典｢A｣
真っ黒になった岩さんの髪の毛をセットしていると
ふいに呼びかけられた。
剛典｢今日飯付き合え｣
『はい』
何を言われるかなんてわかってる。
とうや｢それ、俺も行っていいですか｣
『は？なんで？』
この楽屋には、私と、岩さんと、とうや。
とうや、さっきまであっちにいたのに。
とうや｢だって臣さんのことだろ｣
『別に、そんなんじゃ』
剛典｢悪いけど、大事な話だから今日は外してくれる？｣
とうや｢……わかりました｣
岩さんがノーと言わせない圧をかけた。
とうや｢A｣
『……なによ』
とうや｢そんなに辛い恋ならやめちまえ｣
『……』
とうや｢お前はあんな、
マニュアルみたいな笑い方する女じゃねぇだろ｣
なんで、そんなこと言うのっ……
とうや｢じゃあ、俺健さん呼んできます｣
そう言って、メイクルームを出てった。
ポロポロ、ポタポタと床に涙が落ちていく。
『うっ……』
なんだろう。
とうやにあんなこと言われたからかな。
今まで我慢してた涙が啖呵を切ったように溢れて止まらい。
しゃがみこんで、両手で顔を覆う。
剛典｢Aっ……｣
岩さんはそんな私をそっと抱きしめてくれた。
『っ……うっ……ぅぁ……ぅ』
剛典｢大丈夫大丈夫｣
子供を落ち着かせるみたいに背中を摩ってくれる。
泣きやめ。
止まれ。
止まって、涙。
まだ、仕事も途中なのに……
健二郎｢ちょっ！？どないした！｣
とうやが呼び行った健さんが来てしまって
この状況に1番慌てていた。
健さんのメイクさんも同じように慌てている。
健｢A、臣ちゃん呼ぶか？｣
健メイク｢私呼んできます！｣
嫌だ。
今合わす顔ない。
ギュッと岩さんの胸元の服を握る。
剛典｢いや、臣さんには伝えなくていいです｣
健｢な、なんでや。……喧嘩しとんのか｣
剛典｢……まぁ｣
ごめんね、岩さん
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omigirl(プロフ) - りこさん» 最後までご覧頂きありがとうございました！光栄なお言葉にも感謝です☺️ (10月19日 21時) (
レス) id: 22df992226 (このIDを非表示/違反報告)
omigirl(プロフ) - maiki042625さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。思うことはみんな同じですね...😭 (10月19日 21時) (レス) id: 22df992226 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！陰ながら楽しませてもらってました！お話とても面白かったです！！ (10月18日 21時) (レス) @page42 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
maiki042625(プロフ) - 素敵な小説ありがとうございます。私も本を読んでずっとファンでいて良かった。と再確認しました(^^) (10月18日 21時) (レス) @page42 id: 624b9b8d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：omigirl | 作成日時：2023年10月9日 20時
