7.世界で1番好きな人 ページ22
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メイクルームで後片付けをしていたところ
ブラシがいくつか落ちて
パーテションの裏の壁の端っこまで転がっていってしまった。
『…はぁ』
1つずつ拾って、最後にパーテションの裏に回り込んで
最後の1つを拾うと、ガチャっと扉が空いた音がして
別に隠れる必要も無いのに思わず身を潜めてしまう。
剛典｢…まじっすか｣
岩さん？
｢うん。だから、終わりにしようと思う｣
臣さん...
どうやら、入ってきたのは2人のよう。
なおさら、隠れる必要ないじゃん。
｢Aとは｣
……
え？
一瞬にして、真つ暗闇に放り込まれたような衝撃。
私の話、してる…？
剛典｢…そうですか。今日このあと会うんですよね？｣
｢うん｣
剛典｢じゃあ、今日？｣
｢そのつもり。言うなら早い方がいいでしょ｣
剛典｢そりゃあそうですけど｣
｢……わかってくれっかな、A｣
剛典｢大丈夫です。
ちゃんと、臣さんが思ってる気持ちそのまま伝えれば｣
｢だと、いいんだけど…。あ、あった帽子。
岩ちゃんはあった？AirPods｣
剛典｢ありました！｣
パタパタと足音が聞こえて、扉が閉まると
この部屋はシーンと静かになった。
ゆっくりと立ち上がって、メイクボックスにブラシを戻す。
正面を向くと、酷い顔をした私。
なんて顔してんの。
もともと、終わりがあるってわかっていたじゃない。
臣さんに、新たな恋がやってきたらお終いだと。
大丈夫。
私は嘘つきだから、今日も嘘をつける。
臣さんは今日、私に言うつもりだ。
今日で、この関係は終わり。
最後だから、物分りのいい女でありたい。
あー、でも最後なら、もう少し可愛い格好でありたかった。
でも、そんなの叶わないから
メイクを念入りに直して、泣かずにお別れをしよう。
2年間。
長いようで短い期間。
偽りの関係であったけど、間違いなく
私には今までで1番幸せな時間だった。
世界で1番好きな人と、1番近くに過ごせた2年間。
彼の1番にはなれなかったけど
彼の傷をほんの少しでも癒せたのなら、それで充分だった。
私も前に進まなくてはいけない。
彼とお別れ会するのではなく、
彼を好きだった自分とお別れをしよう。
残りを片付けて、他の仕事を終わらし
彼とのトーク画面を開く。
Aこれから帰ります
もう、家で待っているだろう彼にLINEを送った。
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omigirl(プロフ) - りこさん» 最後までご覧頂きありがとうございました！光栄なお言葉にも感謝です☺️ (10月19日 21時) (
レス) id: 22df992226 (このIDを非表示/違反報告)
omigirl(プロフ) - maiki042625さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。思うことはみんな同じですね...😭 (10月19日 21時) (レス) id: 22df992226 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！陰ながら楽しませてもらってました！お話とても面白かったです！！ (10月18日 21時) (レス) @page42 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
maiki042625(プロフ) - 素敵な小説ありがとうございます。私も本を読んでずっとファンでいて良かった。と再確認しました(^^) (10月18日 21時) (レス) @page42 id: 624b9b8d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：omigirl | 作成日時：2023年10月9日 20時
