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直人さんだと思ってる彼。
でも、今だけは臣さんへ向けて言うことを許して欲しい。
『…全部』
「……」
『笑顔も、声も、背中も、全部…。選べません』
臣さんのどこが好きって聞かれたら私は答えられない。
『愛情深いところも、努力家なところも、全部好きです』
この人の全てが好きだなんて、
臣さんに出会う前思ったことなかった。
全部って言う人なんて適当って思ってた。
でも、今ならわかる。
「泣かないで」
『……』
あれ。
私今日、涙腺やばいかも。
気づいたらポロポロと涙が膝の上に落ちていく。
「Aちゃんの想いは綺麗だね」
臣さんは身を乗り出して、手を伸ばし私の涙を指で拭った。
『全然、綺麗じゃないです。私はずるい』
「恋愛なんてそんなもんでしょ。
好きな人を想って泣けるAちゃんは心が綺麗だよ」
『私の想いが綺麗なら、臣さんのがずっと綺麗です』
「…俺の方こそ、全然綺麗じゃない。
いつも他の人に逃げてばかり。結局は他人を利用してる」
知ってる。
臣さんが女の人で自分の気持ちから逃げているのを。
だって私も同じだから。
『……私も、いつも逃げてます』
「……俺ら、同じだね」
『はい。同じです。
でも、辛くても同じ気持ちの人が理解してくれる心強さを
知ったので私は少しだけ強くなった気がします』
あの日、臣さんが言ってくれた言葉。
「あれ？今俺が慰めてたのに、俺が今慰められてんの？(笑)」
『臣さんが泣きそうな顔をしたので』
「してねぇよ(笑)」
バチンとデコピンをされる。
『痛いです』
「ふはっ(笑)」
彼が笑っている。
それだけで充分だった。
「Aちゃん」
『なんですか』
少し痛いおでこを擦りながら返事をする。
「俺たち、恋人になろうか」
『……ぇ』
「Aちゃんは直人さんを好きなままでいい。
俺も彼女を好きなまま」
初めて聞いた、臣さんからの��好き��。
また、胸が苦しくなる。
『…な、に言ってるんですか』
「俺たちは似てる。共感できる。
だから、お互いが寂しい時、寂しさを埋め合う関係になろ」
『……』
「もちろんAちゃんに
新たに好きな人ができたら関係は終わりでいい。
寂しさを埋めるために、恋人になろ」
岩さんが��これ以上��はダメだと言っていた。
でも、私はやっぱり馬鹿だから
『わかりました』
こう言うしかない。
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omigirl(プロフ) - りこさん» 最後までご覧頂きありがとうございました！光栄なお言葉にも感謝です☺️ (10月19日 21時) (
レス) id: 22df992226 (このIDを非表示/違反報告)
omigirl(プロフ) - maiki042625さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。思うことはみんな同じですね...😭 (10月19日 21時) (レス) id: 22df992226 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！陰ながら楽しませてもらってました！お話とても面白かったです！！ (10月18日 21時) (レス) @page42 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
maiki042625(プロフ) - 素敵な小説ありがとうございます。私も本を読んでずっとファンでいて良かった。と再確認しました(^^) (10月18日 21時) (レス) @page42 id: 624b9b8d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：omigirl | 作成日時：2023年10月9日 20時
