1.片想い ページ1
剛典「お願い！
ツアーが終わるまでは…」
目の前には両手をパチンと顔の前で合わせ
必死にお願いのポーズをしている岩さん。
『……わかりました。
スプレーで黒くしましょう』
剛典「本当、迷惑かけて申し訳ない。
ありがとうA」
『いいえ。
私も
任せてください』
2023年
三代目再始動で、三代目yearとなる年。
9年振りのアリーナーツアー残すこと数回となった。
そして、岩さんの専属ヘアメイクになってもうすぐ3年になる。
と、同時に私のあの人への片想いも5年。
「岩ちゃん黒髪じゃなきゃいけねぇの？」
どうしてこの人の声だけ華があるように聞こえるんだろう。
低くて、落ち着いてて、優しい。
剛典「臣さん。お疲れ様です」
『お疲れ様です』
「お疲れ」
携帯片手にドームツアー打ち合わせのため会議室へ現れた臣さん。
私と岩さんが端で話していると当然かのように来て、私の隣に立った。
剛典「来年の朝ドラ
来月の顔合わせの時から黒髪じゃなきゃまずくて…」
「あー、だから黒スプレーね？」
『はい。聞こえてました？』
「うん(笑)
お前探してたら岩ちゃんが必死にお願いポーズしてるからなにかと思って」
『…そ、うでしたか』
「売れっ子の専属は大変だなぁ。
あんま忙しくさせると専属辞めるとか言われるよ？(笑)」
『そんなこと言いません』
言わないし、私は言えない。
剛典「えーそれは困る！
Aじゃなきゃやだ！」
「ご指名だそうですよ？」
『だから辞めるなんて言わないですから！
……あの、私を探してたって何か用でしか？』
__臣さーん！ちょっといっすか！
遠くから臣さんを呼ぶスタッフの声。
「呼ばれちった。
今日、終わったら家行くって言いたくて。
じゃ、あとでな」
ポンと頭の上に手が乗ってすぐ離れていく。
遠くなる背中を眺めていると岩さんが私の頬を引っ張った。
『…痛いです』
剛典「そんな顔すんな」
『……』
剛典「お前、本当にいいの？このままで」
『いいんです』
剛典「だってそれじゃあお前が辛いだ…『いいんです』
『どんな形でも、側にいれればそれで』
臣さんとは恋人だけど私の片想い。
決して幸せになれない恋とわかっているけど
一緒にいることを選んでしまった。
そんな恋を私は
"他の誰かより悲しい恋をしただけ"
そう自分に言い聞かせている馬鹿な女。
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omigirl(プロフ) - りこさん» 最後までご覧頂きありがとうございました！光栄なお言葉にも感謝です☺️ (10月19日 21時) (
レス) id: 22df992226 (このIDを非表示/違反報告)
omigirl(プロフ) - maiki042625さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。思うことはみんな同じですね...😭 (10月19日 21時) (レス) id: 22df992226 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！陰ながら楽しませてもらってました！お話とても面白かったです！！ (10月18日 21時) (レス) @page42 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
maiki042625(プロフ) - 素敵な小説ありがとうございます。私も本を読んでずっとファンでいて良かった。と再確認しました(^^) (10月18日 21時) (レス) @page42 id: 624b9b8d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：omigirl | 作成日時：2023年10月9日 20時
