Trick and Treat

センラ ページ7

「センラ、いい感じ」



「お、じゃあオーブンいれますか」



「うん！」



今は彼氏と一緒にクッキーを焼いています



私の彼氏は少し訛りの入った話し方におっとりした性格



こうやって一緒に台所に立つことも多々あるわけで



『ハロウィンだし、一緒にお菓子でもつくらん？』



なんて楽しそうに



お酒を飲むとちょっと甘え始めたり、いつもより色気が出てきたり、楽しげにペラペラ話したり……



少し変わり者だったりもする



そんな彼が大好きで



「ねえセンラ」



「ん？」



「トリック・アンド・トリート！」



「……変わっとるなぁ、トリック・オア・トリートちゃうん？」



そう言って優しげに目を細める彼にえへへっと笑って冗談！と言う




「A、トリック・オア・トリート」



「……お菓子、今ないよ？」



「じゃあいたずらやなぁ」



ふわふわと笑いながら軽くデコピンされる



痛い痛いと額を擦ればふっと笑われて頭をくしゃくしゃにされる



「もう、やめてよ」



そう言って笑えばつられたようにセンラも笑う



どちらからともなく近づいてそっと口づけをした



二人きりの空間には焼けたクッキーの甘い匂いが漂っていた

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)

←あほの坂田。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す