Story6 ページ8
そのあと、周りの幾人かの子どもたちがなんだその夢！変なのー！っと、ミツルを笑った。
だけどミツルはなんてことないようにいつもみたいにぼーっとしていた。
その後の自分の行動ははっきり言って今考えても僕らしくない。
僕は、人に嫌われるのが嫌で、白い目で見られることさえ嫌で、嫌なことを言われても困ったまま笑うだけで、反論なんてできない子どもだった。
まあ、今でもその性格はほとんどかわっていないけれど。
でも、その後僕は声を張り上げていったのだ。
何いってんだよ、かっこいいじゃないか！と。
ミツルとはその時そこまで仲が良かったわけではない。ミツルは、さっき言ったように異端児と言われていたからいつでもつるんでいるような相手はいなかったし、僕も人の輪の中にいても常に息苦しさを感じていた。
その時見たミツルの驚いた顔は今でも鮮明に覚えている。今のところ最初で最後の驚愕の表情だ、忘れるはずがない。
島から出たい、そういったミツルとそれに賛同した僕の言葉はあのときともに語らっていた子どもらによって一瞬で島中の大人たちに知れ渡った。
バカ言うんじゃない、そう言って三人ほどの大人に殴られた。
殴られながら、痛みに耐えながら、僕は島の人たちはなんでこんなに怯えているんだろう？っと思っていた。
きっと、病気なんだ。この島の人たちは。
自分達と意見の違う人間を痛めつけるばかりで認めることもできない、そんなおかしな風習のこの島が病気でないならなんだというのだ。
この島の病気に感染してしまった島の人たちを不憫には思う。
だけど。
自由に生きたい。
その気持ちに嘘はつけない。
つきたくない。
こんな自分の気持ちを失ってなるものか、僕にしては珍しく、そんな強気なことを思った。
そのあと殴られた傷を抱えながらミツルと一緒に、遠くの海ではためく海賊旗を見た。
そのときにみた海賊旗が白ひげ海賊団のものだったのだ。
はためく大きな海賊旗を見て、あれは自由の象徴だ、と思った。
「じゃ、ミツル。せっかくだから俺ら海賊にでもなるか。」
そう唇が形作ったのはほとんど無意識だった。
「それ、いいね。」
そう答えたミツルの声は相変わらず飄々として掴みどころがない。
ただ、僕にはそんなミツルの飄々とした声の中に確かな強さを感じられる。
そのことが何故かとても誇らしかった。
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陽羽(プロフ) - 蛙鰐泥鰌さん» ありがとうございます！そう言っていただけると、お話を書く気力が湧いてきます。第二シリーズでもぜひよろしくおねがいいたします！ (2015年1月24日 14時) (
レス) id: cbd79c01cc (このIDを非表示/違反報告)
蛙鰐泥鰌 - 面白かったです。頑張って下さい！！ (2015年1月24日 12時) (レス) id: 0ccd474843 (このIDを非表示/違反報告)
陽羽(プロフ) - アヤカさん» ありがとうございます！私も実ははやくヒロインちゃんとマルコさんをイチャイチャさせたくてうずうずしてますwwこれからもお付き合い、よろしくおねがいします！ (2015年1月20日 17時) (レス) id: cbd79c01cc (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - いつも他キュンキュン読ませてもらってます。はやく、ヒロインちゃんとマルコの絡みが見たいです（笑）楽しみにしてます。これからも頑張ってください！ (2015年1月19日 22時) (レス) id: 68f56890de (このIDを非表示/違反報告)
陽羽(プロフ) - けいおんさん» ありがとうございます！白ひげ海賊団、いいですよねー！リクエストありがとうございました。赤髪海賊団の登場は決定しているのでぜひそれまでお付き合いください！ルフィたちやミホークについては検討させていただきます！ (2015年1月6日 21時) (レス) id: cbd79c01cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽羽 | 作成日時：2015年1月5日 23時
