おかしいのは ページ8
最近、Aの様子がおかしい。いや、あの馬鹿がおかしいのはいつもの事だが、それにしても妙だ。昼にどっか行きやがるし、腕にやたらキラキラしたモンを付けてるし…
ｿﾞﾛ「…今日も、飯食ったらどっか行くつもりかよ」
『…え？…何て？』
Aは、一瞬こちらを見て、再び黒板に向き直る。伸びた背筋と真剣な眼差し。オレは授業を聞き流しながら、教科書の影に隠れて、それを眺める。
ｿﾞﾛ「腕のソレは何なんだよ？」
『…これは貰ったもの』
ｿﾞﾛ「誰から？」
『ゾロ、授業聞かないと…』
ソワソワと落ち着きなく注意を促すA。…オレはそれどころじゃねェんだよ。大体お前がおかしいから、こっちも気になってんだ。
ｿﾞﾛ「…本当に…何なんだよ…」
−−−−−−−
全くの不本意だ。こんな事。前を歩くA。オレはその後をつける。どこへ行くかなんて、本来ならオレが気にするような事じゃねェのに。
ｿﾞﾛ「…2年校舎？…兄貴にでも用か？」
軽い足取りで階段を上がっていくA。追いかけながら、何度も我に帰る。
…オレは一体何してんだ。こんなコソコソと性に合わねェ事して。あのシスコン兄貴に用があるなら、尚更オレには関係ねェ。
引き返そうとしたその時、Aは空き教室に吸い込まれるように入っていった。
ｿﾞﾛ「…？！」
廊下まで響く楽しげな会話。Aともう一人。
…2年のトラファルガー…だったか？不良の。Aと何の繋がりだ。いつから知り合ってた？あんなのとつるんで、Aは危険じゃねェのか。
ｿﾞﾛ「…んなの聞いてねェよ…」
親しげな二人。Aが口元を押さえて笑う度、袖からブレスレットが光ってるのが見える。星をかたどった青と赤の石。銀色の装飾。トラファルガーが向ける、Aへの視線。
…全てが気に食わねェ。心臓が押し潰されるように、握りしめた柱がミシミシと嫌な音を立てる。幸せそうな笑い声が耳をつんざいて、吐き気すらした。
ｿﾞﾛ「…そこにいるのは、てめぇじゃねェ…」
窓から差し込む光が二人を照らす。オレはドアに隔てられて、そこに入り込む余地もねェ。
この焦燥は、この悔しさは、
紛れもなく恋なのだと、思い知らされた。
ｿﾞﾛ「おかしいのは、オレの方かよ…」
最近どうも、オレはおかしい。
いや多分、もっと前から。
お前を想うと、オレは正気じゃいられない。
お前の事が、気になって仕方ない…
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ルイト(プロフ) - ゾロ好き星人さん» 長らく気付かなくて申し訳ありませんでした！コメントありがとうございます。温かいお言葉を頂けてとても嬉しいです。更新頑張りますね！ (2021年2月23日 20時) (
レス) id: 977386f903 (このIDを非表示/違反報告)
ゾロ好き星人 - すごくこの作品が好きです！更新頑張って下さい！ (2021年1月14日 14時) (レス) id: e826f147a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイト | 作成日時：2020年12月18日 23時
