オレ達はライバル ページ7
ドンチャン騒ぎも鎮まって、嵐が去った後のように、食卓は開け放した酒瓶で散らかっている。
じいちゃん達が各自帰っていくのを見届けて、突っ伏して寝ているサボ兄に話しかけた。
『…布団で寝ないとだよ…サボ兄…』
ｻﾎﾞ「んぅー……A…」
『何？…』
返事はない。どうやら寝言だったみたいだ。部屋に運ぼうと、サボ兄の腕を持ち上げたところで、エース兄に止められた。
ｴｰｽ「…オレが運ぶから…Aはもう寝な」
『いいの？エース兄…』
頷くと共に、ひょいっとサボ兄を肩に担ぐ。兄弟愛ってやつかな。仲良し家族で何よりだ。
ｴｰｽ「…Aに触れさせたくねェだけなんだけどな」
『…え…？』
小さな呟きは上手く聞き取れなかった。部屋へと向かうエース兄を見送る。
気怠そうな背中。何故か、とてつもなく重いものを背負い込んでいるように見えた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ジジイと赤髪のおかげで、いつものメシの時間は賑やかさを増して、酒のせいもあってか、サボはAにベタベタしてて…何でもないようにしながらもオレは気が気じゃなかった。
ｴｰｽ「ほら、飲み過ぎだ、サボ…」
ｻﾎﾞ「…う…A〜…A…」
ｴｰｽ「ったく…」
ベッドに下ろすと、うわ言のように、A、と連呼するサボ。思うのは、やっぱりこれがただのシスコンには見えねェってこと。サボは頑なに、認めねェけどな。
電気を消して、部屋を出ようとドアに手をかける。その時、
ｻﾎﾞ「…A……好き…だ」
不意に、後ろから消え入りそうな声が聞こえた。目尻から涙が伝っているのが見える。…何で泣いてんだよ、サボ。オレ達は兄妹なんだろ…？
ｴｰｽ「……なぁ、サボ…大方、ルフィもそうだろうが、ニブくて気付いてねェのかもな」
どうせなら、気づかなきゃ良かった。知らないフリをしていたかった。
ｴｰｽ「…ジジイや赤髪のお節介もよ……あながち間違っちゃいねェんだよな」
ただの「妹」とは思ってねェ。それを分かっているから、訂正も出来なかった。
でもAは、オレ達を、兄弟だと思ってるから…
この関係を壊すことも、続けることも出来ねェ。オレ達にはどうにも変えることが出来ねェ。
ｴｰｽ「…だから、サボ…オレ達はライバルだ」
勝負しようぜ。…どちらがAを守るか。
これが今、オレ達に出来る最大限だ___
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ルイト(プロフ) - ゾロ好き星人さん» 長らく気付かなくて申し訳ありませんでした！コメントありがとうございます。温かいお言葉を頂けてとても嬉しいです。更新頑張りますね！ (2021年2月23日 20時) (
レス) id: 977386f903 (このIDを非表示/違反報告)
ゾロ好き星人 - すごくこの作品が好きです！更新頑張って下さい！ (2021年1月14日 14時) (レス) id: e826f147a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイト | 作成日時：2020年12月18日 23時
