やきもち ページ41
夜もすっかり深け込んで、静かなこの部屋には雨の音が響き、そして隣から小さな寝息が聞こえる。
ﾛｰ「…A、寝てるのか？」
『……』
かぶりを振って頭が安定していないが、辛うじて壁がその頭を支えている。
別に何かするわけでもねェが、無防備すぎねェか？仮にも男と二人きりだろ？…いや、コイツがそんな事を気にするわけがねェ。
ﾛｰ「そんなに頭振ってたら、首痛めるだろ」
Aの頭を片手で引き寄せて、オレの肩に乗せる。安心したのか、Aが肩に顔を擦りつけてきた。
ﾛｰ「おい…」
『ふふっ……』
(恐らく)のんきな笑顔を浮かべて、そのまま眠り込むA。暗がりで顔はよく分からねェが、見ない方が身のためだと察した。顔を見たら、オレが(色々と)耐えられるか分からねェ…
ﾛｰ「ったく…相変わらず、人の気も知らねェで…」
Aの頭を撫でつけて、オレは目を閉じた。願わくば、この時間がもう少し続いてほしいと。そして、ドクドクと脈打つ心臓の音でAが起きねェようにと。
余裕もカッコもつかねェが、そう祈るばかりだ。
−−−−−−−−−−
それから数時間が経って、廊下の方が騒がしくなってきた。鍵が開く音がして顔を上げると、慌ただしく入ってきた男がAに駆け寄る。
ｻﾎﾞ「A！！無事か？！ケガはないか？兄ちゃんが来たからもう大丈夫だからな！！この男は今すぐ潰…」
『しゃぼ兄…？あれ…』
ｻﾎﾞ「迎えに来たぞ！帰ろう、A」
感動の再会ってところか。仲睦まじい兄妹の絆を見た。寝ぼけ眼のAは気付いてないだろうが、先程から凄まじい殺気を向けられている。
ｻﾎﾞ「トラファルガーてめぇ！！問答無用であの世へ送ってやる！！」
『やめて、サボ兄…ロー先輩と一緒に閉じ込められちゃっただけで…』
ｻﾎﾞ「ああ…職員室で鍵を借りた時に聞いた…見回りの教師が気付かなかったらしい……Aを閉じ込めた野郎…握り潰してやる…」
ギリギリと奥歯を食いしばりながら、不穏なオーラを振り撒くAの兄貴。仲が良いのは分かってるが、距離が近すぎやしねェか？
ｻﾎﾞ「とにかくA！今は帰ろう」
そう言って、軽々とAを抱き上げて部屋から出ていく。…なるほど。見せつけられてるのか。
仲が良いのも知ってる。血のつながりがねェのも知ってる。二人はただの兄妹。
全部分かってたつもりだが、
どうにも…妬ける。
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ルイト(プロフ) - ゾロ好き星人さん» 長らく気付かなくて申し訳ありませんでした！コメントありがとうございます。温かいお言葉を頂けてとても嬉しいです。更新頑張りますね！ (2021年2月23日 20時) (
レス) id: 977386f903 (このIDを非表示/違反報告)
ゾロ好き星人 - すごくこの作品が好きです！更新頑張って下さい！ (2021年1月14日 14時) (レス) id: e826f147a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイト | 作成日時：2020年12月18日 23時
