まさか会うとは ページ28
カフェは、夜はバーを経営しているからか、カウンター席が多く、テーブル席は三つほどのコンパクトな店だ。
それでも、所々に置かれたワニの置物や金の装飾などのシックな雰囲気がなんとも店長らしい。
ﾛﾋﾞﾝ「そういえば言い忘れていたけれど、ウチはコンセプトカフェよ」
『へ？』
ﾛﾋﾞﾝ「そうね、妹カフェってところかしら？男の人もいるから兄妹カフェとも言えるわね」
そう言って、ロビンさんは棚から服を取り出し、私の肩に合わせる。白とピンクのフリルのついた服なんて滅多に着る事はない。しかし、断るタイミングを失って、勧められるまま試着をすることになった。
ﾛﾋﾞﾝ「あら、似合うわね」
『…あ、ありがとうございます…』
膝上のスカートが心もと無いし、レースやフリルの主張も強めであるが、仕事なら仕方ないだろう。
ｸﾛｺﾀﾞｲﾙ「…オレはこの方針は気に食わないがな…」
ﾛﾋﾞﾝ「今の経営のためにはこれくらいしないと、数年で潰れるけれどいいのかしら？」
この方針を甘んじて受け入れている店長さんと、割と楽しんでいるロビンさん。そんな様子が見て取れる。
そろそろ着替えようかとした時、カランコロンとベルの音と共に店の扉が開いて誰かが入ってきた。
ｴｰｽ「遅れちまってすいません！まだ開店時間…って、A⁈ 何でここに？しかもそのカッコ…」
私を指差したまま固まるエース兄。知らなかったとはいえ、まさかバイト先がエース兄とカブるなんて…
ﾛﾋﾞﾝ「新人さんと知り合いかしら？」
ｴｰｽ「知り合いっつーか…妹で…」
ﾛﾋﾞﾝ「あら、本物の兄妹でピッタリじゃない」
ニコニコして言うロビンさん。そんなのんきな話じゃないんです…。でも、出くわしたのがサボ兄じゃなかった事が唯一の救い。エース兄ならきっと分かってくれる。
『エース兄…』
ｴｰｽ「色々事情があんだろうが…後で聞く…とりあえずサボには言うなよ」
『ありがと、エース兄…』
ｴｰｽ「今日はもう帰れ、気をつけてな」
追及しない。反対しない。責めたりしない。エース兄はいつだって味方で居てくれる。
言われた通りに支度をして、今日は真っ直ぐ家へ帰った。サボ兄にバレたら大惨事になりかねない。
…悪い子だよね。心配ばっかりかけて。でも、何もせずにはいられない。それ以上に守りたいものがあるから。
そして、静かに密かに、私のバイト生活が始まる。
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ルイト(プロフ) - ゾロ好き星人さん» 長らく気付かなくて申し訳ありませんでした！コメントありがとうございます。温かいお言葉を頂けてとても嬉しいです。更新頑張りますね！ (2021年2月23日 20時) (
レス) id: 977386f903 (このIDを非表示/違反報告)
ゾロ好き星人 - すごくこの作品が好きです！更新頑張って下さい！ (2021年1月14日 14時) (レス) id: e826f147a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイト | 作成日時：2020年12月18日 23時
