頼れる人 ページ26
放課後にこのオレを呼びつけやがって。んな簡単に行くわけねェだろ…。オレを何だと思ってんだ？
『来てくれたんですね！キッド先輩！』
ｷｯﾄﾞ「…オレに用があんだろ？」
昼も来たこの空き教室にまた来る羽目になるとはな。今は邪魔モンがいねぇとはいえ、どうせお前はまた、トラファルガー絡みの面倒事を持ち込む気だろ？
『今、計画を立ててたんです…』
ｷｯﾄﾞ「あ？何だこれは？……また、ドフラミンゴんとこに乗り込む気か⁈ 」
紙には、ドフラミンゴの組織の情報と乗り込む手段、そして、何度も書かれた"ロー先輩"の文字。
"ロー先輩に心配をかけたくない"
"ロー先輩を助けるためには…"
"ロー先輩が傷つかないように…"
トラファルガーの為なら、コイツは命すら投げ出すだろうな。
ｷｯﾄﾞ「書き直せ…いや、もう書くんじゃねェ」
『ええ…？どこがダメだったんでしょう…』
ｷｯﾄﾞ「全部だ つか、何でてめぇは自分の身の心配をしねェんだよ！そもそも奴らに拐われたばっかりだろうが！」
紙を机に叩きつけると、音の余韻を残して静まり返った。それでも、真剣な顔つきのまま、オレを見据えているA。
この眼だ。この瞳がいつもオレの心を奪う。白昼夢の世界に入った気分だ。意志の強いその目に、オレはどうしても惹きつけられる。
『…知りたくなったんです…まだ、髪飾りの件も、ドフラミンゴさんについても謎ばかりですから…』
巻き込んでしまってごめんなさい、とAは頭を下げた。別にそこは構わねェ、と返そうとした時、Aはさらに続けた、
『キッド先輩は、ロー先輩と仲良しで、本当は優しい人じゃないですか…だから、こんな事キッド先輩にしか頼めないって思ったんです…』
遠慮がちに、それも申し訳なさそうに、Aは小さな声でそう言った。
…だから嫌なんだよ。お前が言うから嘘には聞こえねェ。お前が言うから、期待したくなるだろ。
ｷｯﾄﾞ「チッ…ほら、計画立てんぞ」
『え？一緒にやってくれるん…あれ、何でいきなり頭わしゃわしゃするんですか？』
ｷｯﾄﾞ「別にいいだろ…」
ムシャクシャして、ただAの頭を雑に撫でつけた。
お前に冷たく出来ねェ自分が腹立たしい。お前に頼られて舞い上がってる自分が恨めしい。
結局、お前はいつもオレを振り回しやがる。本来なら絶対許さねェが、お前だけは特別だ。
だからお前も、
オレにだけ頼ってろ。
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ルイト(プロフ) - ゾロ好き星人さん» 長らく気付かなくて申し訳ありませんでした！コメントありがとうございます。温かいお言葉を頂けてとても嬉しいです。更新頑張りますね！ (2021年2月23日 20時) (
レス) id: 977386f903 (このIDを非表示/違反報告)
ゾロ好き星人 - すごくこの作品が好きです！更新頑張って下さい！ (2021年1月14日 14時) (レス) id: e826f147a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイト | 作成日時：2020年12月18日 23時
