一歩前進 ページ15
…非常に気まずい。今まで通りにゾロと接することが出来るだろうか…なんて考え始めたら教室に入るのも躊躇われる。
ﾙﾌｨ「何してんだぁ？早く入ろうぜ！」
『ちょっ…ルフィ…』
強引に引っ張られて教室内に入ると、机に突っ伏していたゾロが顔を上げて、よぉ、と短く挨拶をしてきた。
慌てて、おはよう、と返すと、ゾロは満足そうに笑い再び眠り始める。
…良かった。思ってたよりいつも通り？
きっと大丈夫だよね…。
−−−−−−−−−−−
その後も、いつもと変わらない日常が続く。授業も何一つ滞りないけれど、何となく視線を感じる気がした。
チラリと隣を見ると、ゾロが頬杖をついてこちらをじっと見つめている。
ｿﾞﾛ「やっと、気付きやがった…」
やれやれと言わんばかりの呆れた顔をするゾロ。何か用でも…？、と小声で問いかけても、別に、と返されてしまう。用がないのに見てるなんて変じゃないか。
『じゃあ、何で見てるの…』
ｿﾞﾛ「何でって……理由が知りてェのか？」
と、意味深にニヤリと笑うゾロ。余裕そうな表情とは裏腹に、頬は少し赤く染まっている。
…理由が分かってしまった。必死で首を振ると、何だよ聞きてェんじゃねェのか？、とゾロは挑発的な様子。でも、聞きたくない。
"好きだから"…なんて言われたら…きっと困ってしまう。
ｿﾞﾛ「…オレは今までずっと、おめーを気にして見てたってのに…」
危なっかしいくせにニブいんだよ馬鹿、と不満を溢す。その割に優しい目をして、フッと鼻で笑いながらも嬉しそうに見える。
ゾロの言葉も表情も、一つ一つ全てが私に向けられていて、想いが込められているように思えてならない。だって、ゾロはずっと、私から目を逸らさないから。
ｿﾞﾛ「おい、まさか昨日の事忘れたとか言わねェよな？」
『っ忘れるわけないよ…誰かに告白されたのなんて…は、初めてだから…』
顔を覗き込むと、ゾロは驚いたように目を丸くしていた。オレが初めて…、と確かめるように繰り返してから、不意に視線を逸らす。
顔全体は見えなくても、口元が緩み、頬が紅くなっているのが分かった。
ｿﾞﾛ「…本当に…オレが初めてなんだな？」
『う、うん…そうだよ』
へェ、と生返事で答えながらも、口角は上がりっぱなしのゾロ。それが何だか可愛らしく思えてしまう。
これがどんな関係であれ、一歩前進したのは確かだ。
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ルイト(プロフ) - ゾロ好き星人さん» 長らく気付かなくて申し訳ありませんでした！コメントありがとうございます。温かいお言葉を頂けてとても嬉しいです。更新頑張りますね！ (2021年2月23日 20時) (
レス) id: 977386f903 (このIDを非表示/違反報告)
ゾロ好き星人 - すごくこの作品が好きです！更新頑張って下さい！ (2021年1月14日 14時) (レス) id: e826f147a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイト | 作成日時：2020年12月18日 23時
