聞きたい事 ページ12
思えば、初めて会った時からだ。
お人好しで、馬鹿で、危なっかしくて、いつもオレの隣で楽しそうに笑ってやがるあいつ。
オレはいつの間かあいつを目で追うようになっていて、いつだって気がかりだった。
ただの親しい「友人」だと、誤魔化して、我慢して、今日もオレは、あいつを眺めてる。
ｿﾞﾛ「A…今日の放課後、空いてるか？」
『え？…うん、いいよ どっか行く？』
ｿﾞﾛ「…いや、聞きてェ事がある…教室、残れるか？」
首を傾げてから、コクリと頷くA。
聞きてェ事。本当は別に聞きたかねェが、確認しなきゃなんねェんだよ。
−−−−−−−−−−
放課後のチャイムの音と共に、次第に教室内の人気がなくなって、今では取り残されたようにこの教室にはオレ達二人しかいない。
『聞きたい事…だっけ？』
窓際に立つAが、オレの方を振り向く。丁度そこに西陽が差して、Aの髪が淡いオレンジ色に光っていた。
ｿﾞﾛ「そうだ、聞きてェのはおめーの事だ…いつも昼の時間にどっか行くだろ？」
『う、うん…』
どこかばつが悪そうにうつむくA。すかさず、オレは詰めかける。
ｿﾞﾛ「で、たまたま見ちまったんだよ……お前がトラファルガーとつるんでるトコをよ 大丈夫なのか？」
『…それは…』
Aは眉を下げて、困ったような顔をして黙り込んだ。…大方、ルフィやシスコン兄貴達は知らねェんだろうな。オレが言いふらすとでも思ってんのか？
ｿﾞﾛ「…安心しろ…別に誰かに言うわけじゃねェよ」
そう言うと、Aは安堵したように顔を上げる。…分かりやすい変化。一体何なんだよ。そこまでしてあの野郎に会いたいのか。どういう関係なんだよ。
隠しきれない苛立ちから、本音が漏れた。
ｿﾞﾛ「…もう、そいつと会うな」
『え……どうして…ゾロ…』
Aの瞳が途端に暗い色に変わる。傷つけたいわけじゃねェ。泣かせたいわけねェ。
でもそれ以上に、お前を他の野郎と会わせたくねェんだよ。
『何でそんな事言うの…ゾロ、変だよ…』
目に涙を溜めながら、小刻みに震えているA。いつも笑ってるお前を泣かせてまでしても、オレは引き下がれなかった。
もう、我慢の限界だった。
ｿﾞﾛ「…お前をほっとけねェんだよ…」
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ルイト(プロフ) - ゾロ好き星人さん» 長らく気付かなくて申し訳ありませんでした！コメントありがとうございます。温かいお言葉を頂けてとても嬉しいです。更新頑張りますね！ (2021年2月23日 20時) (
レス) id: 977386f903 (このIDを非表示/違反報告)
ゾロ好き星人 - すごくこの作品が好きです！更新頑張って下さい！ (2021年1月14日 14時) (レス) id: e826f147a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイト | 作成日時：2020年12月18日 23時
