兄とヘアセット ページ2
手首に付けたブレスレットは、窓から差し込む光を反射している。洗面所の鏡の前で、その輝きに見とれていた。
『ロー先輩…どうしてこんなに綺麗なものを私にくれたんだろう…』
ｻﾎﾞ「Aー？さっきから鏡の前で何してんだ？」
不意に洗面所に現れたサボ兄。咄嗟に袖の中にブレスレットをしまいこんで、後ろを振り返る。どうやら、気付いてはいないようだ。
『えっとね…今日の髪型考えてたの』
ｻﾎﾞ「髪？…珍しいな、Aが髪型を気にするなんて」
そう言って、私の髪をフワリと掬い上げた。兄ちゃんがセットしてやろうか？、と鏡越しに、ニッと笑いかける。自分でやる、と答えてもお構いなしに、髪の毛を指で梳き始めた。
ｻﾎﾞ「Aはやっぱり綺麗な髪だよなぁ…」
『んー…そうでもないけど…そういや、エース兄にも同じ事言われたなぁ』
ｻﾎﾞ「なっ⁈ エースにも触らせたのか？！」
『何で怒るの……たまに乾かしてもらってるだけだよ？』
許せん、とばかりにサボ兄は、ムスッとした顔をしている。それでも、髪を触る手はとても優しい。エース兄と違って、細長い指で繊細に丁寧に撫でてくれる。
『サボ兄、美容師になれそうだよ』
ｻﾎﾞ「…A専属のな」
それじゃ仕事にならないじゃないか、と思いつつも、サボ兄が私の髪をコテで巻くのを鏡越しに眺める。
いつになく真剣な眼差し。…よっぽど集中してるのかな。こういう姿を見ると少し、かっこいいなとか思ったりする。
ｻﾎﾞ(Aの髪…フワフワ…サラサラ…あと、めっちゃいい匂いする…！)←(全然集中してない)
『サボ兄すごいね…くるんくるんしてて、可愛くなった！』
ｻﾎﾞ「…ざっとこんなもんだろっ」
くせっ毛みたいに、ピヨピヨと跳ねる髪。…サボ兄は器用だなぁ。後ろでサボ兄は得意げに笑う。そして、同じようにフワフワと揺れている金髪。
『…何だか、サボ兄とお揃いみたいだね』
ｻﾎﾞ「…何それ可愛い……兄ちゃん泣きそう…」
『エース兄もちょっとくせっ毛？』
ｻﾎﾞ「そうじゃんかよ！ちくしょー！！」
喜怒哀楽が激しいというか、表情豊かなサボ兄に、思わず笑いが溢れる。仲良し兄妹ってこういう事だよね。
−−−−−−−−
相変わらずシスコンは激しい。
でもいつまでも、「兄」のまま「妹」のまま、
変わらずにこの関係が続くのだと…
そう、思っていた。
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ルイト(プロフ) - ゾロ好き星人さん» 長らく気付かなくて申し訳ありませんでした！コメントありがとうございます。温かいお言葉を頂けてとても嬉しいです。更新頑張りますね！ (2021年2月23日 20時) (
レス) id: 977386f903 (このIDを非表示/違反報告)
ゾロ好き星人 - すごくこの作品が好きです！更新頑張って下さい！ (2021年1月14日 14時) (レス) id: e826f147a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイト | 作成日時：2020年12月18日 23時
