270. ページ35
まとめて端的に話すと
淳太君は相槌を打ちながら聞いていた
「昨日は?台風やったけど」
本当に心配しているその表情で
淳太君が見た「発作」がどんなんか
少し怖くなる
「薬飲んだから大丈夫言うてたわ
少し…しんどそうやったけど」
あの後、息苦しいのを我慢してるのが分かって
早々に寝かした
心配しすぎと怒られたけど
淳太君は何かを考える表情をした後
「照史が知っとるんやったら、もう俺が連絡せんでもええな」
と少し寂しそうに笑った
「…返信が遅れたから怒られる!って焦っとったで」
肯定するのも否定するのも違う気がして
話を少し逸した
そこは俺が立ち入る話ちゃうから
「怒られる?俺に?」
「おん。怒られるー!ってw
心配しとるだけやろって言うたら
どっちにしろ怖いてw」
「なんやアイツ…何が怖いねんw」
そう笑う淳太君はいつも通り
「そう言えば、昨日の台風で帰り道の街路樹が…」
話題を一気に変えて雑談を始めると
「照史!なんこれ!ズルい!」
という末っ子の叫び声で
楽屋の視線は
俺の隣にある鞄に注がれた
56人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:向日葵 | 作成日時:2021年11月28日 10時