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「人生で一番幸せな時間だった
本当にありがとう」
伝わったかな
伝わって無くてもいいか
本当に幸せだった
今でも手放したくない
走って飛びついて嘘だよって言いたい
震える声も
手も
必死に隠して
玄関に向かう
視界がろくに見えなくても
平衡感覚が無くても
皮肉にも
通いなれたこの家の勝手はわかる
なるべく普通に見えるように
出来るだけ背筋を伸ばして
倒れないように
壁を最小限で触れながら歩く
「A」
彼の声が背中から聞こえた
名前を呼んでくれた
大好きなあなたの優しい声
引き止めるように呼ばれたその声を
私は一生忘れない
「本当にありがと」
絞り出した声は届いたのかもわからない
ドアが閉まる音とともに
ずっと彼の喉元に突きつけられていたモノが
やっと無くなったんだと思うと
とてもとても安心した
私が引けばいい
こんな簡単な事だったのに
彼を苦しめ続けたのは
紛れもなく私だ
さっきより動くようになった体
振り返って
もう二度と見る事のない玄関ドアを撫でる
地面に落ちた涙だけは
もう少しここに居てもいいよね
きっと誰にも気が付かれずに消えてなくなる
私も一緒に
ここで消える事が出来たらいいのに
バイバイ、照史
大好きだよ
本当に愛してる
幸せになってね
たくさん傷つけた私を許したら駄目だよ
でも
最後にもう一度だけ
笑顔が見たかった
太陽みたいな
あなたの笑顔
温かくて優しい腕で
抱きしめて
キスして欲しかったな
🔚
やっと終わりました
予定と違う方向にいってしまい
調整に時間が掛かりました
切ないですね
続編はひたすら悲しい話になります
苦手な方はお気をつけください
それでもいい
とか
むしろとことん切なくして
という私と気の合う少数派の方は
もう少しお待ち下さいね
自分の涙枯らすつもりで書いてます
2022.09.11
続編スタートしました
向日葵みたいな君
続く (更新停止中)
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年6月8日 10時
