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「昨日来る言うてたやん
会って話したんやろ？」
「ちょっと……
と、とりあえず連絡してみて」
尋常ではない様子から
既読もつかないメッセージアプリやなくて
スマホの番号へ電話を掛けようと
発信履歴を辿る
「姉ちゃんに？メッセージでええん」
「何でもええ」
次は流星に飛びつく照史
「あ、メッセージ来てたわ
気が付かんかった」
「なんて？！」
「なんや…このメッセージ」
照史に向けられた画面は
俺にもハッキリ見えた
『りゅせくん、色々ありがとね
一緒に居てくれて本当に楽しかった
心配かけてごめんね
幸せになれー♥』
「俺にも早朝に、似たようなメッセージ来てたわ
ありがとうって」
振り返った照史の目が
絶望の色に変わっていく
「とりあえず、掛けてみるわ」
「頼む」
Aの番号をタップすると
すぐに通話中に変わって声が聞こえた
慌てて耳に当てると
「この番号は使われておりません」とアナウンスが
…は？
もう一度、彼女の名前をタップすると
同じアナウンスが聞こえた
「既読つかへんなぁ」と言いながら
流星は首を傾げる
「俺も繋がらへん
使われておりませんて言うてる」
俺達の言葉に肩を落とす照史
「何があったん」
流星と俺の顔をチラリとみた後
視線をテーブルに落とし
震える声で呟いた言葉に
俺達は言葉を失った
「昨日……………別れてん、俺達」
目を丸くした流星が照史に詰め寄る
「ホンマに言うてるん」
「ホンマや」
「なんでこんな突然…」
それほど遠くない日とは
思っては居たけれど
あまりにも突然過ぎる
今にも泣きそうな表情で
照史が静かに話し始めた
「昨日の夜…
話したい事があるからって
俺んち来てん
色々話しててんけど
しんどいから別れようって言われて…
揉めてもて
俺がちょっと…
いらん事言うてしもて」
流星の視線が鋭くなって
照史を見据える
怯えるような表情をして
更に肩を落とした
「家は？」
「ここ来る前に行ってんけど…
空き室になってた」
「は？」
「姉ちゃん引っ越してたって事？」
「…多分」
流星と目が合う
別れたのはともかく
連絡が取れなくなってる理由はなんや
「いらん事って、何言うたん
まさか…怒鳴ってへんやろな」
流星の低い声が静かな楽屋に響く
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年6月8日 10時
