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「俺やってなぁ
時間なんて止まったらええのにとか
勝手に入籍したろとか
仕事も生活も全部放り出して
Aと2人でどっか逃げたろって
何度も何度も思った
絵空事やなくて真剣にな
でも…」
振り返った照史は
見たことない程に悲しい顔をしていた
「みんなで必死に頑張ってきた
グループの今も…未来も…
俺は…
手放されへんねん
メンバー1人1人の人生までも
台無しにさせる訳に行かへんやんけ
望なんて…
まだ26やねんぞ」
私と同い年の望くん
彼が小学生の頃から
照史は中学生の頃から
ずっと側に居るんだよね、みんな
グループの最年少の事を思う照史は
とても大人に見えた
Aちゃんや照史を見てると
感情だけで行動してしまう自分が
すごく子供に感じる
グループで活動してるからこそ
出来ないことは多くて
決して降ろすことの出来ない物を
背負って生きている
降ろせないと分かっていても抗おうとする
それを口に出すことは
出来ないのかもしれない
でも
グループで活動してるからこそ
私が決して見ることが出来ない
素敵な景色を
メンバーと見てきたんだろうな
「言い過ぎた…ゴメン」
フハッと笑うと
私の頭をワシャワシャと撫で
「たまには素直やんけw
ほら、戻るで！飲み足らへんやろ？」
とドアを開けた
ガキっぽい自分に嫌気がさす
照史の横をすり抜けようとした瞬間
「お前にまで気ぃ使わせてスマンな
Aのフォローしてくれて
ホンマに助かった」
と聞こえたけど
重く深い寂しさと悲しさ
2人で逃げる事すら出来ない苦しさ
それぞれから聞いて
直に感じ取って
胸が痛すぎて上手く返せなくて
「バーカ」と言い逃げした
「おい！w」って叫び声と共に
後ろから聞こえる照史の
いつも通りの
ケラケラ楽しそうな笑い声に
痛い胸は更に締め付けられた
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年6月8日 10時
