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450.橙side 少し追加 ページ28

ラジオが終わり急いで家に帰る

色々考えて
考えすぎながら鍵を開ける

ドアノブを引く前にフゥと気合をを入れた









薄暗いリビングのドアをゆっくり開けると
俺達のライブ映像が流れるテレビの前で
光を浴びながらペタリと座り込んでいた



派手な画面とは対照的に静まり返る室内



この部屋に置いてあった部屋着を着て
ヘッドホンをして
微笑みながら画面を見つめている





俺の仕事姿はあまり見ない彼女


『生きてる世界が違いすぎて怖い』


そう言って
流星からのライブへの誘いも
全て断っていた彼女が

柔らかい笑顔で画面を見つめている

すぐ後ろに立った俺には気が付かない





アイドルスイッチ全開の仕事モードで
楽しそうに笑う画面の中の俺


何を思っているのかな

怖いって言ってた

俺を見て





確かに微笑んでいたのに
背中には寂しさが漂っていて

どう声を掛けるのが正解なのか
答えのない事を考えた挙げ句



「ただいま」と後ろから肩を叩いた



「わぁ!ビックリした!」と驚いた彼女は

パッと振り返って

「おかえりぃー!」と飛びついてきた





夕方のパニック状態とは真逆で

楽しそうに明るく笑っている





気になりつつ
少し安心して抱きしめる





「ただいま。元気になったな」

「照史が帰ってきたから♪」





まだ少しアルコールの匂いがする彼女

でも、夕方程酷くなさそう





「ねぇ、ただいまのちゅーして」

「おかえりのちゅーちゃうんw」


なんてツッコみつつ


「ただいま」とキスをすると

(>∀<)みたいな顔をして
「世界一格好いい照史が!私に!ちゅーした!」って
キャーキャー喚き出したw











淳太君がビデオ通話してきたあの頃より
少し前から妙に明るくなったA

元気な時が多いって嬉しそうで
安心してはいたんやけど



その時より

なんやろ

昔に戻ったみたいな

2人で沖縄ではしゃいでた時みたいな
無邪気さが戻ってきた



ええことやねんけど
なんだか気になって流星に聞くと



「色々吹っ切れたんちゃう?
 俺の前でもそうやで」って
何か問題ある?みたいな表情で答えた



問題は無いねん

でも

状況は何一つ変わってへんのに
きっかけもなく変わらへんやん、人って





俺には心当たりが無い

夕方のパニックになってる様子から
こんな風に変わるか?











「照史?」

呼ばれてハッと我に返る

「…どうしたの?」



心配そうに俺の頰に手を添える彼女

表情管理出来てなかったか

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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年6月8日 10時

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