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449.黄色side ページ27

戻ってきた照史は怪訝な顔で
「泥酔しとった」と言った

「はぁ?まだ夕方やんけ…んで理由は?」

「言わへん。支離滅裂すぎて会話にならん」

「支離滅裂?」

「もう嫌だ、怖い、私が何したのって

 泣きじゃくりながら
 ずっと言ってたわ」





怖い、嫌だ、私が何したのって…

なんやそれ





「何か言われたんか?
 パパラッチ…病院か?」

「あ、病院の匂いはしてたわ」

「今日って通院日なん?」

「わからん。俺には何もわからん。
 とりあえず、待っとれって言ってきた」





俺たちの会話を
表情変えずに聞いている流星

照史を送り出すまでは
少し焦っているようにも見えた

マネージャーに交渉しに行くなんて
普通やない





「なぁ流星、お前なんか知っとる?」


直球で聞いてみたけど

表情変えずに「知らん」と言った


「ほな何でマネージャーに交渉したん」

「泣いてる姉ちゃん、ほっとくん嫌やから」





そう答える流星はいつも通りで

嘘はないように感じる





「そっか、サンキュ」と照史が笑うと

「俺の姉ちゃんや。照史のちゃう」と答え

また2人でくだらない口喧嘩を始めた











生放送のラジオは巻くことは出来ない
時間通り始まって
時間通りに終わる



いつも通りの照史に安心していると
マイクがオフされる度にスマホを見つめている



「連絡来た?」

「来やん」



寂しげにそう言うと
ブースに誰も居ないことを確認してから
「なぁ淳太君」と小声で話し始める



「Aがパニックになるほどの話って
 なんやと思う?」

「……なんやろな」

「病気の事なんかな
 そんなら淳太君に話しそうなもんやけど」





2週間前のホテルでの出来事

新しく処方された薬

照史がどこまで把握してるんか分からんから
迂闊な事は言えない

そう言えば、倒れた原因が分かったら
必ず照史に話すと言っていたな



もしかして…

パニックになるほどの病気やったんか?



想像は悪い方向へとひたすら傾いていく





「俺が何でも知っとるワケちゃうでw

 本人から聞き出すしかないやろ」

「聞き出して…
 抱えきれないような内容やったら…」

「大丈夫や」



不安でネガティブ爆発させる
照史の言葉を制止する



「話を聞いて欲しいだけかもしらん
 寂しくて限界来ただけかもしらん

 理由は分からんけど
 照史が一緒に居るだけでアイツは喜ぶで」



まだ不安気な表情を残したまま
少し笑って「せやな」と言った

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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年6月8日 10時

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