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338. ページ9

肩にもたれる彼女に頬を寄せると
やはり普段より温かい



俺に会いたいってのは
これを吐き出したかったんやろな








『これ以上、笑顔奪いたくなくて』

『病気を治すって
 普通の事すら出来なくなっちゃった』

『幸せになって欲しいだけなのにな』

『なんか…悪い事をしたのかな?私』

『自分が嫌になる』








何一つ彼女の責任では無いのに

なんでAが
こんな悲しいセリフを
言わなあかんねん





彼女が吐き出す言葉は
いつも端的にまとめられている

頭と心の整理をして
俺に話すまでの間に
どれだけ1人で心を痛めて
涙を流しているんやろ

胸が締め付けられる





頼ってくれたのは嬉しいねんけどな

吐き出したくて「会いたい」って言えるって進歩や






そう言えば照史からも、この間
『Aの好きなもん知っとる?』
って突然聞かれたな

知ってる限り答えたら
「ふうん」って不服そうな返事が来たw





倒れた所を照史が見つけて

普段彼女が笑顔で隠してる所
全部目の当たりにして

隠す事も誤魔化す事も
出来ない状況を照史に見られて





何か2人の関係性が変わったんかも





その変化がいい方向に向くように

そして

彼女の心が少しでも軽くなるように

祈ることしか出来ない

 




普段より温かい彼女の手を撫でる
絶対微熱のレベル超えとる





ウイルス性でもないのに
熱が続くって
悪い想像しか出来ない







『上手く行かないねぇ…人生って』








彼女の言葉を思い出して
また胸が痛くなる


どうにも出来ないもどかしさが
自分の中で少しずつ憤りに変わっていく


熱い手をギュッと握って
「俺が出来ることは何でもしたるからな」
と呟く


…何が出来るかわからんけど

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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年2月22日 23時

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