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Aと2人で居る時間は
飽きることはない
無言になっても
気まずさなんてゼロやし
ホンマに家族と居る感覚
彼女は飽きることなく
窓の外の夜景を見つめている
夜景が反射して
物理的にも気持ち的にも
キラキラしてる
彼女の目が綺麗で思わず
「綺麗やな」
と声に出てしまった
「ね!キラキラ!東京の夜景って綺麗!」
「お前や」とは言えず
テーブルに置かれた彼女の手を
ポンポンと叩く
…手ぇ冷たいな
そのままギュッと握ると
やっぱり全体が冷えてる
「寒ないか?手ぇ冷めたいで」
「ちょっと…寒い」
席の位置かと思って
場所を交代するけど
俺は寒ないし
彼女は相変わらず寒そう
…………の割に、顔赤ないか?
「もしかして…熱あるんちゃう?
しんどい?」
「んー………
ちょっと疲れたかも?
眠たくなってきちゃった」
そう言って目をつむり
ソファに体を預けた
手元に置いとった
俺のコートを掛ける
彼女のより大きいから
ブランケット代わりになるやろ
「温か〜い…
淳太くんのいい匂い…」
前にも聞いた事がある言葉にニヤケながら
俺もソファに寄りかかり
彼女の時計を確認する
「やっぱり…ちょっと熱あるやん」
「最近は…ずっとだよ」
しばらく病院通いになる事も
原因がわからないことも聞いたけど
熱が続くって……?
ましてや
あんな大きな発作の後で
「ずっとって…何なん」
「あの日から、ずっと。
平熱の日ももちろんあるけど、
週の半分は微熱
たまに、もっと高くなる」
「なんか原因があるんちゃうん」
「今はまだ分かんないって
でもウイルス性?じゃないから
移ったりはしないって
だから普通に過ごしてる
基本的に元気だよ?
仕事も行ってる
寒いのは…
今、上がり始めたからかも」
そう言いながら
俺の肩に軽くもたれ掛かる
いつもより甘えてくるって事は
しんどいんやな
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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年2月22日 23時