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東京でも桜の開花宣言がされた頃
国内ならと言う条件で
彼女の遠出が許可された
近場へ温泉旅行でも行こうかと
思ってたんやけど
彼女のリクエストで沖縄へ
『沖縄もダイビングもキャンプも
私に気にせず、友達と楽しんでね？』
と言う言葉に甘えて
俺は1人でも沖縄行っとったから
ツレ周りには
Aが体調崩して来られへん
って話はしてある
詳しい事は伏せとるけど
会いたがってたって言ったら
「私も会いたい」って事で
・
「Aちゃん久しぶり！」
「大丈夫なん？元気になった？」
「うん！心配かけてゴメンね」
「謝ったらダメ！
今日はいっぱい食べなさぁい！」
「見て見て！もう1歳過ぎたんだよ」
「わぁ！可愛いー♥」
前に抱っこしてた赤ちゃんは、もう1歳半
ちょこちょこ歩いてAの足元へ
ゆっくりと抱き上げて膝に乗せると
ペタリと甘えてきてめっちゃ可愛い
久しぶりにみんなと会って
楽しそうにしとるA
「明日は海で遊ぼうね！」
「パラセーリングやで！」
「空飛ぶねん！」
「え？！楽しそう！」
彼女は病み上がりやから
あんまり激しいのは無理って先に話したら
色々考えてくれとった
「明日はぁ
パラセーリングしてぇ
ホテルランチしてぇ
カヤックで青の洞窟へ行くよぉ♥」
「青の洞窟！行きたかったの！」
「せやろ！女子旅やー！」
「しんどくなったら言ってな！」
女子勢と楽しそうに話すA
そんな様子を微笑ましく見ていると
「思ったより元気そうで安心した」
とツレが肩を叩く
「俺も…何があったのかと思った」
「結構長かったな」
みんな本当に心配してる
分かってんねんけどスマン
Aが伏せてって言うから
まだ話されへん
「潜れるくらいまで回復したら詳しく話すわ
とりあえず、沖縄来られる位には回復したわ！」
「別に言わんでもええよ
俺も去年倒れたし
みんな色々ある年齢になってきたわ」
「え？！お前倒れたん？！」
「それは俺も知らんぞ！」
30過ぎて
深刻な病気の話が身近になった
みんな敢えて口に出さないから
気が付かない事もある
いつも元気そうに見える奴が
毎週病院通ってるとか
大きな手術をしたとか
そんな事が珍しくない年齢
そしてみんな
それを敢えて口にしない
心配かけたくないってのは
みんな同じ
俺もホンマに気をつけよ…って
ツレの話を聞きながら思った
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年2月22日 23時
