362.橙side ページ29
出すもの出してアルコールも少し抜けた
流石に諸々ベタベタな俺達
交代で風呂へ
俺が上がると
俺のスウェットを着た彼女は
ベッドの端に座り
窓から星空を見上げていた
いつか同じ光景を見た気がする
「体冷やすなや」
彼女の左側に座って
後ろでグシャグシャになってる掛け布団で
2人を包む
「ありがと。ねぇ見て、星も月も雪もキレイだよ」
そう言いながら窓の外を指差す
彼女の手の動きに合わせて窓の外に目を向ける
「ホンマやな
寒い思たら、まーた雪降っとんか」
返事をしながら感じた違和感
ゆっくり戻ってくる彼女の手を捕まえる
手首にそこそこ大きい青タン
「これ…どないした…」
言いながら気がつく
店から出る時
俺が思いっきり掴んだからや
「ゴメン…俺や…」
「大丈夫だよw
点滴した後だから、内出血しやすいだけ」
「…今日病院行ったん？」
一昨日も行ってなかった？
2週間に1回くらいやったような
わかりやすく『まずい』って顔
捕まえた彼女の手と指を絡める
「またなんか隠してるやろ〜w」
重くならんように
話しやすいように
「ちょっと…数値が悪くてね
点滴追加してきたの」
・
何の数値や
『気負いすぎないで』
安西先生の声が頭をよぎった
・
「そっか。今は体調どうなん？」
「元気だよ」
俺を見て微笑む彼女
「元気だけど…眠い」
そう言って背中をベッドに付けて寝転がる
「疲れた…照史のせいだ…」
「なぁんで俺のせいなんw」
振り返って彼女の顔を見ながら問うと
物言いたげな表情になり
「目隠し…いじわるプレイ…」と呟く
「いじわるプレイww」
「全然ちゅーもしてくれなかった」
すねた声を出しながら
口を尖らす彼女に覆いかぶさり
「それはゴメン
今からいっぱいするから許して」
返事も聞かずにキスをする
唇を起点に
鼻・瞼・額・頬
また唇に戻ると
彼女の腕が俺の服を掴む
その時に見えた青タンにもキス
そのまま指を絡め
彼女の顔の横へついてキスを続ける
甘さと深さを混ぜ始めると
呼吸で離れたタイミングで
「今日はもう無理だよ？」って呟いた
「さすがに俺も無理やw
布団はいろか？寒いやん」
うなずく彼女の髪を撫で
２人で布団へ潜った
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年2月22日 23時
