353. ページ25
「あきとくん…」
「体冷えたら、余計しんどくなるで」
背中を撫でると
「ありがと」と微笑んだ
「座ってる方が楽なん？」
「ん…」
座っている方が肺の容量が増えるから
呼吸が楽になるって何かで聞いた知識
「どっか痛い？」
言葉に出ている時は
隠せない位酷いとき
「頭は低気圧
お腹は…飲みすぎ？w」
そう笑う彼女のお腹に手を当てる
「寝起きの俺の手、温かいでぇ」
そっと撫でると
自分の手を上に重ね
「あったかぁい」と嬉しそうに笑う
「薬飲んだ？」
「ん」
「ほな今日はここで寝よか
一番楽な姿勢になり？」
俺の方に少し体の向きを変え
肩に寄りかかった
「ありがと」
「俺が一緒におりたいねん」
「ﾌﾌﾌ♥
しんどい時ってさ…
人肌恋しくなるよね」
「わかる」
「照史くんが来てくれたから
安心して眠くなってきた」
「そら良かった
一緒に寝よな
寝ても覚めても、ずっと一緒や」
「嬉しい♥」
お腹を優しく撫でると
彼女は心なしか幸せそうに微笑む
ここに
俺達の赤ちゃんが居ったらええのに
想像しただけで幸せや
今はまだ
いつか
彼女の考える俺の未来には
彼女は一切存在しない
そんなら俺は
彼女が真ん中に居る未来を想像する
ほら、どの角度から見ても幸せやで
『私には出来ないから』
出来るよ
薬指のサイズで
お揃いの指輪買うたる
赤ちゃんは…まだ先やな
まだ存在してない命より
今腕の中にいるAの体のが大切やから
いつか
俺が二人を守れるようになったら
Aの体調が良くなったら
寄りかかる彼女に頬を寄せ
「俺の元気分けたるから…
はよ笑顔になれ」
と小さく言って髪にキスをする
「ありがと…大好きだよ」
・
「俺も」って言葉は届いたかな
慌てたり騒いだりせず
隣で出来ることをする
彼女の変わっていく日常に
寄り添えてるんかな
彼女からの
ごめんねと大丈夫が無くて
ありがとうと
ちゃんとしんどい事を話したくれたのは
俺達は良い方向に
歩きはじめたんちゃうかな
そうであってほしいと
願いながら眠りに落ちた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：向日葵 | 作成日時：2022年2月22日 23時
