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「あ、欲しい物決めた？」
1年記念に何か
お揃いのを買おって提案してん
ほっといたら
めっちゃ高いもん買うてくるからな！
この人は！
「お揃いのメガネが欲しい」
「それ、ええな」
彼女が見せた写真は
ウェリントンのべっ甲柄
テンプルは落ち着いた金
「めっちゃええやん！
よし、今度買いに行こな！」
嬉しそうに笑う彼女
1年記念なんて
高いアクセサリーでも
ねだられそうなもんやのに
お揃いのメガネが欲しいとか
好きにしかならんやろ
メガネのお店の話をしてる途中
彼女が俺にクタッともたれかかる
「どした？」
「ちょっと…疲れちゃった…かも」
仕事終わりそのままやったもんな
「ほな、帰ろか？」
「えー…まだ一緒に居たい」
次に会えるのは早くて2週間後
俺は海外やったり地方やったり
バタバタ動かなアカン
しかも俺は明朝6時起床
お互いの明日のスケジュールは
何となく把握してるから
今日の帰宅時間も最初に話した
無理せず
仕事に支障が出ないリミットまで
後30分
「時間が止まればいいのにな
そしたら照史くんと
ずーっと一緒に居られる」
繋いだ手をギュッと握る
彼女のポカポカした温かい手
俺も同じ事考えてた
って返事をしようとすると
「でもそれじゃ、照史くん飽きちゃうねw」
と笑う
「飽きひんわw
俺も同じ事考えるからな
時間なんて止まってまえって」
今までも
何度思ったことか
「ンフフ嬉し♥
もう少しだけ…一緒にいて？
一緒にいよ？
ちゃんと帰るから」
ギュッと抱きついてきた彼女を
抱きしめ返す
「俺もまだ一緒におりたい」
「海外…気を付けてね
照史くんになんかあったら
生きていけない」
「わかってる
みんな一緒やから大丈夫や
Aも体調悪なったら
ちゃんと病院行きや？
俺も淳太君も流星も居らんから
変な我慢したアカンで」
「はーい…あー幸せ♥」
「ん？」
「照史くんが側にいて
ギュッてしてくれるから
本当に本当に幸せ」
俺も幸せやで…世界一
車に戻って
名残惜しい気持ちを
帰り道に引きずって
リミットより遥かに遅い時間に帰宅
お互いの家に上がると
余計離れがたくなるから
車で沢山キスをした
2週間か…長いなぁ
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年2月22日 23時
