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347. 少し変更 ページ18

「遠出も出来るようになりますよね?
 海外とかも」



縋り付くように言った俺を見て
マズイという表情で口元に手を当てた



「守秘義務があるので
 ご家族以外にこれ以上
 患者の病状は話せません…」



出来るなら出来る言うたらええだけや

濁すって…なんなん



「先生、あの…」

『桐山さん!
 そろそろスタンバイお願いします!』



スタッフの声に言葉が止まり
反射的に返事をする



「なんか、白衣姿の方に相談されると
 変な感じですねw」



安西先生の優しい声が耳に届く



「先生…僕に何か
 出来ることはありますか」




藁をもすがる気持ちで問う




「Aちゃん、言ってました

 彼は…桐山さんは
 すごく優しくて繊細で

 何事にも真面目で一生懸命で
 人を幸せにする事が出来る
 太陽みたいな人なんだって

 凄く大切な人だって
 本当に嬉しそうに笑ってました」




シリアスなシーンにむけて
気持ち作ってたのも相まって
視界が歪む




「桐山さん
 僕達は出来る限りの手を尽くします

 あなたは、今のままで十分すぎる位
 彼女の力になっていますよ

 病院に縁遠かった方には
 変化を受け入れるのは
 なかなか難しいかもしれませんが…

 変わっていく彼女の日常に
 出来るだけ
 寄り添ってあげてください

 あまり気負いすぎないで…」




そう言って俺の背中をトントンと撫で
安西先生はスタッフの方へ歩いていった




なかなか立ち上がれない俺




もう一度名前を呼ばれ
返事をしながら指先で涙を拭いた

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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年2月22日 23時

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