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345. 少し変更 ページ16

年明けからドラマで医師の役を頂いた
今のメインの仕事



演技指導として
毎回現役の医師が現場に居る

手術シーンとか
器具の動かし方とか目配せとか
リアリティを出すために
プロの動きを教えてもらう



俺は今回、あんまり関係ないけど
午前中は少し指導が入った

共演者と絡むシーンも少ない今回

俺の撮影はほぼ病院内

今日は待ちが多く
中庭のベンチに座ってボーッとしとった

芝居の仕事現場やと
頭ん中が役で支配されとるから
素の俺とはちょっと違う

この後にシリアスなシーンがあるから
気持ちを作りながら
空を見上げていた



その時



「桐山さん」



肩をポンと叩かれ顔を上げる

今日の演技指導の安西先生や



「休憩ですか?」と言って隣に座る

「いや、俺は今は待ち時間です
 午前中はありがとうございました」



普段は救命救急医らしいけど
スイッチ切っとると
ほんわかした優しい人



「白衣、似合ってますね」

「ありがとうございます
 パッツパツですけどねw

 先生は…白衣着ないんですか」

「基本的にスクラブですね
 あの、被るやつ」

「はい、分かります」

「今は完全私服ですけど」



なんてしばらく雑談をしていると

キョロキョロと周囲を確認してから
俺に顔を近付けて小さな声で



「Aちゃん、体調どうですか?」



と笑顔を向けた



唐突な彼女の名前に
分かりやすく反応してしまう



「…え?」



困惑する俺の表情を見て
少し焦った表情をする



「あれ…?
 この間、Aちゃん連れてきた…
 桐山さん…ですよね?」



俺の解釈と同じなのか分からず
返事しないでいると



「あれ…違ったかな」と焦りだす

Aちゃんにも確認したんだけどな…
と慌てる先生




「最初の撮影の時、あなたを見て
 どこかで見たことあるなぁと思って。

 お名前を伺った時に気がついたんです」

「…え?!もしかして…
 あのときの先生ですか?!」

「そうです!あーよかった!
 人違いかと思った!」



あの時、彼女を運び込んだ俺から
話を聞いて処置をしてくれた先生やった

彼女の主治医でもあるらしい

撮影で使ってるこの病院は
Aの通う病院の分院みたいな
立ち位置なんやとか

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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年2月22日 23時

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