295. すこし変更 ページ10
いつの間にか着替えて
俺達の撮影を見ていた照史
顔はなんとか笑ってるけど
腕組んで仁王立ちしとる
隣では最後の撮影に向けて
流星も別のタキシードに着替えて
照史と俺達を交互に見て笑っとった
単に柱に手ぇかけて立っとるだけやのに
何もかもが決めポーズに見えるわ
大股で俺の隣まで来た照史
「はいはいはーい！撮影は終わり！
A返して！」と
口角を上げとるのに目はマジやw
『3人の王子に取り合いされる姫だな』
ってスタッフさんが笑う
照史が視界に入ると
Aの空気が変わった
クッと温度が上がった感じ
「桐山君が来たら
彼女の雰囲気が一気に丸くなった
凄いね」
カメラマンも感じてる
お互いから溢れる幸せのオーラ
思い合う2人の優しい空気
ほんのり交わる寂しさが
2人の空気の価値を上げてる気がする
そんな姿を目の当たりにして
嫉妬心は一切なく
幸せそうで良かったなって心から思う
Aも照史も
俺にとっては欠くことが出来ない
大切な存在やから
2人共、幸せで居れ
・
Aの照史に対する感情も
俺のコレと同じなんやと思う
照史が幸せで居るんやったら
それでいい
でも俺と決定的に違うのは
そこに自分が居ると
照史は幸せになれないと確信してる所
年齢とか性格とかで
線を引く気持ちは分かる
でも
あまりにも
自分の気持ちを蔑ろにしすぎや
何か他に理由があるんかも知らんけど
本人が話さへんから…分からへん
・
撮影場所のチャペルへ
照史がAを引っ張って行った
幸せそうな2人を見送って
誰も居なくなった隣の寂しさを埋めようと
流星に後ろから引っ付いて肩に顎を乗せる
「なんやねんwやめろやw」といいつつ
振り払わない流星も
ちょっと寂しいって思ってるんやろ
「俺も…姉ちゃんみたいな彼女欲しいわ」
「照史に言うてみ？姉ちゃん頂戴♥って」
「確実にWESTが1人減るでw
般若桐山が出てきて…
俺が逆さ吊りにされて…
この世から消されるw」
さっきの照史の様子から
安易に想像出来て2人で笑った
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年1月28日 13時
