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俺達の撮影はガーデンウエディング風
花と緑で彩られた会場
ヴァージンロードを2人で歩く
カメラマンの指示に合わせて
動きながら2人で話す
「素敵な会場…
ねぇ淳太くんは？
どんな所で結婚式したいの？」
「んー…
奥さんがしたい所でええわ
主役は花嫁さんやし
奥さんが居ったらどこでもええ
海外でも日本でもな」
牧師さんの前で止まると
『ベールをゆっくりあげてキスする感じで！
本当にしたら駄目だよ！』
って叫ぶカメラマン
「せぇへんわw」って笑いながら
彼女のベールをゆっくり上げる
こんな薄っぺらいものめくるだけやのに
口から心臓出そうな位
緊張するのはなんでや
薄い布が無くなって
ハッキリ見える彼女
やっぱり
めっちゃ綺麗や
そうか
Aが綺麗過ぎるから
緊張するんや
「淳太くんの奥さんは幸せだね」
「え？」
「優しくて
カッコよくて
王子様みたいな旦那様と
素敵な結婚が出来て」
ちょっと羨ましい…と
寂しげに微笑む表情
・
照史が少し前に酔っぱらって言うとった
「Aの考えとる未来には、
俺だけやなくて、誰も居らん
幸せになって欲しい
幸せでいて欲しい
そんな事ばっか言うねん
俺が…俺達が幸せになる為には
自分が居ったらアカンと思ってる
それが悲しくて寂しいのに
否定したいのに
彼女の正論を黙らせる程の
言葉が出てこない」
って泣きそうな顔しとった
Aは最初からずっと同じ考え
私じゃダメ
照史くんには一緒に動くアクティブな子が良い
照史には幸せになって欲しい
もっと自分の気持ちを優先せぇと
何度も何度も言うとんのに
・
「今はお前が奥さんやねんから
羨ましがらんでええやん
幸せ感じとけ」
そういって腰を軽く引き寄せ
頬に手を当て
キスしそうな距離まで顔を寄せると
ふんわりと恥ずかしそうに笑った
「私が淳太くんの奥さん？」
「おん。なんや不満か？」
「妥協しすぎじゃない？w」
「何言うてんねん
世界一やろ
美人で
優しくて
料理も上手い」
つい出た本音
恥ずかしそうに笑う姿
可愛いな
ゆっくり頬を撫でると
もう一段階ニコリと笑った
その時
『中間さぁん！彼氏が怒ってまーす！w』と
スタッフさんの茶化した声に顔を上げる
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年1月28日 13時
