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「ほんで、一番好きなんは？」
「一番は難しい
好きがいっぱいある」
「ほな、好きな食べ物1つづつ言うて？」
「んー
お子様ランチに乗ってるのは
全部好きだよ
ハンバーグとか唐揚げとか
とんかつとか」
「魚は？」
「マグロと鯖と寒ブリとカンパチ
お刺身が好き
お寿司は全部赤身でいい」
「肉は？」
「牛豚鶏の焼いたやつ
煮たやつは苦手」
「他には？」
「なぁんでそんな質問攻めなの？w」
確かに…質問攻めになってもた
でも
「今日はAの話を聞く日って
決めてんねん」
好きな物を1つ聞くたびに
彼女との関係に花が咲いていく感覚
今までも十分カラフルやったけど
もう一つ上乗せで
色がついた感じがする
もっと早く
聞いたら良かったな
「他に好きなん何？」
「ねぇねぇ！綺麗！」
突然叫んだ彼女に視線を向けると
クリスマスのイルミネーションで
装飾された道を走っとった
たまたまやけど
綺麗やな
「ホンマやな」
「ね！明日は満月だよ！」
微妙に食い違う会話に
彼女が指さす先に
もう一度視線を向けると
空に月が光っとった
彼女は感受性が豊か
一緒に海に潜っとっても
散歩しとっても
彼女は自然の美しさに気が付く
俺も好きな方やけど
彼女の感性は少し変わってるから
「気泡の中に入りたい」とか
「虹の粒を瓶に詰めたい」とか
「冬は空気が怖い」とか
一瞬、ん？って思う事を
ものすごく真剣に言う
誰しも何となく抱いてる感情を
的確に言葉にするからビックリする時もある
「お蕎麦とお素麺も好きだよ
ラーメンも焼きそばも」
唐突に話を戻すのにも慣れた
「ええなぁ」
「生野菜は大好き
トマトとかキュウリとかね
私、前世は虫なんだよきっと」
「虫ww」
真面目な顔して
何言うてんねんw
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年1月28日 13時
