289.橙Side ページ4
さすがに疲れて動けない彼女を
キレイにしてから
ベッドへ戻る
中で果てた感覚が
まだ体に残ってる
罪悪感と達成感が入り混じって
最高
腕の中で
今にも眠ってしまいそうな彼女
もう少しだけ起きとって？
アルコールのせいにして話したい事があるから
「なぁ…沙耶と何話したん？」
アイツは単なる友達の1人やけど
あの真剣な視線が刺さった
「んー…あきとがぁ、だいすきだからぁ、
世界でいちばん、しあわせになってほしいんだけど
どうしたらいいのかなって」
「そんな話しとったん？w
それ、もう叶ってるで？
今やもん
Aが腕の中におって、大好き言うてくれてる。
俺、今、世界で一番幸せやでホンマに
真面目に時間が止まればええのにって思っとる」
顔を上げた彼女は嬉しそうに笑う
「そっかぁ！
しあわせなのかぁ よかったぁ
でもねぇ、一番はウソだね」
「なんっでやねんw
ぶっちぎりの一番や！
俺の前に誰が居るゆーねん！」
「んふふふ
それはねぇ」
ニヤニヤしたかと思うと
俺の胸に顔を埋め、腕にギュッと力を入れた
「はーい！
せかいで一番しあわせなのは私♥
あきとのとなりにいるのがぁ
ぎゅってしてくれてるときがぁ
わらってくれてるときがぁ
せかいで一番しあわせ…フフフフ
だからぁ
いまはぁ
しあわせすぎて…こわい
あきと…おいしかった」
最高に嬉しい事と
最高に際どい事を
ほわほわ笑いながら言う
「あきと…ねぇあきと？
だいすきだよ
声も…
目も…
鼻も…
口も…
手も…
体温も…
笑顔も…
ぜんぶぜんぶだいすき
ぜんぶぜんぶ大切なんだよ？
つたわってるといいな…
ずっとしあわせでいてね
ずっとずっとしあわせでいてね
わたしの…ぶん…まで…」
そのまま眠りについた彼女
独り言が漏れたような言葉
アルコールが良い仕事をしたのに
俺の心は締め付けられた
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年1月28日 13時
