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「…どした？」
「入院…
…
…
慣れてるわけじゃ…ないよ」
僅かに震える声
昼間の疑問
答えてくれるんか
彼女の側に戻り
ベッドにそっと座る
「何が…あったん？」
肩を撫でると
背を向けたまま
何度か深呼吸をしてから
話し始めた
「少し前から
酷い症状が出ることがあって…
他にも色々…
それで、たまに日帰り入院で点滴してるから
病室の勝手はわかるんだ」
「なるほどな
原因は…？」
「調べてるけど…分かんないって
症状出なかったら
なんともないんだけどね
まさか今までで一番酷い時に
照史くんに見つかるとは
思わなかった」
「見つからへんかったら
黙っとくつもりやったやろ」
「…原因が分かったら
必ず照史くんにも話すよ
昨日は発作が出たって説明する
だからそれまでは…言わないで」
照史にも持病の話したんやし
隠さんでもええと思うけど
「…今、俺に言ったまんま
言うたらええんちゃう？
ちゃんと話した方が
また何かあったときに
対処しやすいやろ…
…
A？」
小さく鼻をすする音がした
泣いてる…？
「……どしたん」
「怖かったの……
あんな発作初めてで…
本当に怖かった…
このまま死ぬんじゃないかって」
消え入りそうな声
震える体
彼女の恐怖が伝わって
俺の背筋も寒くなる
「照史君が来てくれて…
助けてくれて…
本当に嬉しかった
でも…」
声と呼吸を必死に抑えて
静かに泣いてる
震える肩に手を置いたまま
背中を撫でた
「私に触れる手も…声も…
震えてた…
私だって怖かったのに
照史くんは
もっともっと怖かったと思う
それでも
すぐ病院いくからなって
大丈夫大丈夫って
背中撫でてくれた…
あんな姿…もう見たくない…
あんな思いもさせたくないよ…」
自分やって震える程怖かったのに
その恐怖がまだ抜けてへんやろに
相変わらず自分の事は後回しなんやな
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年1月28日 13時
