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ベッドに入った彼女の口元まで
掛け布団を引き上げる
やはりしんどいのか
目を瞑り
ふぅと長いため息をついている
ベッドの横にしゃがんで
彼女のメガネをそっと外し
サイドチェストに置く
そこには
俺たちの写真が飾ってあった
プライベート写真やなくて
最新曲の宣材写真…のプリントアウト
みんなカラフルな衣装着とるやつ
MV撮影の時
照史が異様にテンション高くて
ショートで全力でふざけたやつ
俺の衣装が真っ青で
Aが好きそうな色やなって思った
ここには照史と2人で撮った写真が
置かれていたはず
ドレス写真のアルバムも置いてるって
照史が言うてた気がしてんけど
見る限りは無かった
意味がない事はしない彼女
すごく気になる
「淳太くん…色々ごめんなさい」
小さな声が聞こえて視線を向ける
布団から目だけ出して
少し怯えた表情にで俺を見上げていた
しんどい思いしてる人に
更にこんな表情させてもうてる
アカンな…俺
「それは俺のセリフ
強く言い過ぎた
ゴメンな…怖かったやろ？」
そう問うと
控えめに頷いた
「怒鳴ったりして、ホンマにゴメン
心配過ぎて余裕無かってん
怒ってるわけちゃうからな？」と言うと
「ん、分かってる」と微笑んだ
目がもう閉じかかってる彼女
頭を撫でると
ふんわりと笑った
かわいいな
「Aも眠そうやし、俺も帰ろかな」
「もう…帰っちゃうの…？」
ほんまにコイツ…
無自覚で俺に甘えんなや
そら照史も般若になるわw
矛先が俺たちに向くのは
納得行かへんけどな！
「寝るまでおるよ
心配やから早く寝ろ」
そう言いながら立ち上がると
「どこ行くの？」と不安そうな顔をした
かわいすぎるやろ
「ちょっと本だけ取ってくる
帰らへんから安心し」と言うと
「ありがと」と笑って目を瞑った
リビングへ読みかけの本を取りに行って
戻ってくると
均等な呼吸音と表情が
眠っているように見える
少しめくれた布団を直し
頬を撫でた
もう少し深く眠るまで
おってもええよな
床に腰を下ろし
ベッドに寄りかかって本を読む
・
30分くらい経った頃
寝返りを打つ気配がする
振り向くと
俺に背を向けていた
もう…大丈夫かな
そろそろ帰ろ
髪を撫で「おやすみ」と囁き
ドアを開けた瞬間
「淳太くん…」
と小さな声で呼び止められた
起きとったん？
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年1月28日 13時
