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142.最後かも ページ6

「なぁ」

「んー?」






彼女との間に少しだけ開いている隙間
真横に隙間なく座って
至近距離で彼女と目を合わせる






「お前以上に気の合う相手なんて…

 見つかる気がしないんやけど」






酒と胸の痛みで
動きの鈍くなった頭を
必死に回転させて

唯一浮かんだ答え





否定も肯定もせず

本音をなんとか遠回しに言葉に出来た






「わたしぃ?w」






そんな俺の言葉に
Aはケタケタ笑い出した






「何がおもろいねん」

「じゅんたくんのまわりには、
 ともだち沢山いるじゃんw」

「そういう事ちゃう。お前がええねん」

「んふふw
 それはねぇ、きのせいだよ」

「んな訳ないやろ
 実際、そう思っとんねんから」





相変わらずクスクスと笑っている





「………なんやねん」

「ううん、なんでもなぁい!」





そう言ってグラスの酒を一気に飲んだ





「おい!2本目もう半分切ったやんけ!」





ワインなんて度数高いやつ
今までもグラス2杯で限界言うてた

今日、一人で丸々1本飲んでるんちゃう?





「もうあかん!水飲め!」

 



グラスを奪い取って
水のペットボトルを手渡すけれど

彼女の手をスルリと抜けて床に落ちた





「ちゃんと持てや!」

「もぉ〜!グラスかえしてよぉ」

「舌、一切回ってへんやんけ」

「だいじょーぶらもん」

「なぁにが大丈夫や!
 ええから一旦水飲め!」





拾った水の蓋を開けてから
もう一度手渡すと


両手でゆっくりと
何度も握り直しながら掴み


覚束ない手付きでそっと口元に運ぶ





その様子を見て
慌ててペットボトルに手を添える





もしかして、力が入らないのか?





そういえばワインボトルも
両手で何度も握り直していた


グラスに並々注がれていたのも
微調節が出来なかった…?





「美味し♪」と口から離した
ペットボトルを受け取って

彼女の両手を繋ぎ
真っ直ぐ視線を合わせる





「心配やから、ちょっとセーブせぇ」





そう言うと、唇を尖らせて俯いた






「……さいごかもなのに」

「最後?」

「おさけ飲むの」

「…先生から言われたんか?」





質問には答えず
「トイレ行く」と言うと
スルリと手を抜いてふらふらと歩いて行く





付いていくわけにも行かず
後ろ姿を見送った後
テーブルに置いた彼女のグラスに残るワインを
クイッと飲み干す





こんな事で視線が揺れる俺も大概やな

体内のアルコールを抜くために
水をガブガブ飲み干した

143.→←141.頼むから



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設定タグ:桐山照史 , ジャニーズWEST , 中間淳太   
作品ジャンル:タレント
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作者名:向日葵 | 作成日時:2023年2月10日 22時

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