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170. ページ34

「A?」





小さく呼ぶと苦しそうな表情のまま
目を開けた


隣に寝転んで同じ布団に潜ると
俺にしがみついた


時折、痛みをこらえるように息を止め
苦しそうに浅く呼吸している





「しんどいな…」





背中を撫でる事しか出来ないけど

辛い時にも頼っていいんだって
Aは1人じゃないって
行動で示したい





きっと昨夜は
今より酷い症状やった


あの薬を飲むくらい


隣で寝とる俺を起こさないように
わざわざ仕切りの扉まで閉めて…





叩き起こせや





その時「じゅ…く…」と小さく俺を呼び
俺の胸に額を押し付けて
服をギュッと握っている

本当にしんどい今

最大限頼ってるんやろな




「ここに居るよ、大丈夫や
 どこにも行かない」




俺の言葉に小さく頷いた




『淳太くんが撫でてくれると安心する』




昨夜の言葉を道標に
苦しむ彼女に俺が出来る
唯一の事を繰り返した











少しずつ落ち着いて来たのか

呼吸が穏やかになっていく



眠ったか?と思ったら
ゆっくり顔を上げた



「顔色、よぉなったな。よかった」と
頬を撫でると

少し潤んだ目で俺を見上げる




「もう痛くない?」
「苦しくないか?」
「朝飯食えそうか?」



いくつか質問をぶつけても
特に表情変えずに俺を見ている



「返事をせぇw」



頬を軽く摘むと



「………ちゅーして」と呟いた





一気に顔が熱くなる





俺のせいで微妙な感じになったから
今朝は少しビビってた

彼女がどんな反応してくるか
わからないから



そもそもどこまで覚えてる…?



ほんで今



こんなおねだりされて
シラフの俺は軽くパニック





頬?

唇?





究極の選択

間違えたら
この関係性が終わってしまうかも





いやでも…さすがに多少は覚えてるやろ

昨夜の情事…とは言い難い中途半端やけど





ビビった挙げ句

安全圏内
選択肢の真ん中である「鼻」に
触れる程度のキスをした





恐る恐る視線を合わせると

唇を尖らせて拗ねた顔





え?え?

間違えたんはわかるけど

なんでそんな表情?





「違う」

「なんや、何が違うん」





分からなすぎてパニックな俺
真っ直ぐ聞き返す





「……酔ってないとしてくれないの?」

「ん?え?」



分からない俺に
昨夜と同じ甘えた表情になると
人差し指で唇をツンツンと指差した

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設定タグ:桐山照史 , ジャニーズWEST , 中間淳太   
作品ジャンル:タレント
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作者名:向日葵 | 作成日時:2023年2月10日 22時

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