158.リミッター ページ22
ずっと触れたかった温もりは
俺の全ての思考を停止させ
時間が止まったかのような感覚になる
まるでファーストキスかのように
痛いくらいに胸を締め付けた
軽いフレンチなキスはすぐに離れて行く
合わせて目を開けようとすると
「まだだよ」と囁く声が聞こえて
今度は甘く長いキスとなって
また戻ってきた
何度も何度も
俺の唇を包み込むように
完全に離れる事なく
繰り返し訪れる温もりに
体は疼きつづけ
脳が溶けてしまいそう
やばい
リミッターが崩壊しそうで
慌てて彼女を引き剥がした
「おまっ……ふざっけんなよw」
そんな俺をポカンと見ている彼女
「エっロいキスしやがって」
「………そう?普通じゃない?」
「どこが普通やねん!」
これが普通?
俺の経験値不足は否定せんけど
これは絶対普通ちゃうわ
心臓がバクバクして
呼吸が荒れる
「いっぱい大切だよって
きもちこめたのに
……
……
イヤ…だった?」
心臓貫く言葉とともに
寂しそうな表情をした
「イヤなわけ……ないやろ」
「よかったぁ」と笑うと
「次は、淳太くんの番」なんて言い出す
「……俺?」
「ちゅー、して?いっぱい」
目を瞑って両手を広げ
キスをおねだりする姿は
とんでもなく可愛いのに
それを褒める余裕も
甘い言葉を掛ける余裕も
今の俺にはない
掬うように頬を両手で包み
心臓が痛いくらいバクバクしてるのを
必死に隠しながら
そっと壊れないように
触れるようなキスを何度も落とす
ぬくもりに触れる度に
締め付けられる胸の痛みと浮遊感に
溺れそうになって
一度額を付けて唇を離す
必死に呼吸と鼓動を整えようとしていると
至近距離で視線が絡んだ彼女が
さっきよりも甘さを含んだ目をすると
スルリと俺の耳に唇を寄せ
「エ ッチなチュー…………したい?」
と囁いて
そのまま耳にわざとリップ音のするキスをした
耳孔に響く囁き声と音は
俺の僅かに残る思考力を
ひたすら奪っていく
65人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:向日葵 | 作成日時:2023年2月10日 22時