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154. ページ18

思わず彼女の肩を強めに掴む



俺が前に聞いたのは
クリスマスに「1ヶ月くらいは大丈夫」って事

そろそろ、その1ヶ月も近付いてきた





毎回、期限が近くなると
怖くてたまらないんやけど
俺から聞くのはもっと怖くて





今日も聞こうかどうしようか1日迷ったけど

嬉しそうに楽しそうにはしゃぐ姿を見て
どうしても言い出せなかった

必ず嬉しい話になるとは限らないし

 




とても残酷な事を
口にさせてしまうかもしれないから






もし春まで伸びたんやったら

こんな嬉しい事はない






それに
こんなにポジティブな事を

未来の話を

Aから言い出すのは珍しいから
期待してしまう






きっとその期待が現れて視界が滲んだ
俺の表情を見て

とんでもなく申し訳なさそうな顔をすると


「言われて…ない…ごめんなさい」


と俯いた





俺が勝手に期待して上がった気持ちが
勝手に下がって
悲しい感覚に囚われそうになる





俺がガッカリしたらアカン

表情に出したらアカン





必死に表情管理をして
口角を上げる





「ほら、謝らんでええ言うてるやろ?

 お花見行きたいなぁ!
 どこがいい?予定立てよか」





絞り出した割にうまいこと言葉が出た


俺の返事を聞いて
申し訳なさそうやった彼女の表情が

少し笑顔を取り戻す


よかった
笑った


頭をポンポンと撫でると
また少し俯き加減になって質問が来た





「じゅんたくんは…
 これからも期限しりたい?
 わたしの……………期限」

「………Aはどうしたい?」





しばらく黙り込んでから
ゆっくり話し始める





「わたし…
 もう聞くのやめようかと思って」





いつか必ず
延長されない日が来る




それは10年後かもしれない




もしかしたら

明日かもしれない




その時にきっと傷付く

A自身も
家族も
俺も流星も





「だから…本当に駄目な時にだけ
 期限をつけてもらおうかと思ったの

 最初はそうしてたから」





家族全員で初めて病院で話を聞いた時

はっきり期限は言われなかった





ここから治った人もいる
だから諦めずに治療しましょうと言われた





一度、本当に危なかった時

ご家族に「今週が山場です」と

伝えられたのが最初の期限






「その形に戻してもらおうと思う

 そしたら
 毎月毎月みんなを傷付けなくて済む」





つまり
次に言われる期限は

本当にお別れの時




やべ
泣きそう

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設定タグ:桐山照史 , ジャニーズWEST , 中間淳太   
作品ジャンル:タレント
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作者名:向日葵 | 作成日時:2023年2月10日 22時

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