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ライブ中の照史
めっちゃええ顔しとるし
俺達の仕事で一番輝いてると思うねん
Aさんが好きな
太陽みたいな笑顔ってこれやろ？
ステージ上で
歓声とスポットライト浴びながら
手を振る照史を見ていたら
同じ立場のはずやのに
遠い存在に感じてもうて
ライブ中やのに
一瞬スイッチが切れた
俺の違和感に気付いた照史が
ライトが他のメンバーに移ったタイミングで
駆け寄って来た
「もんち、行けるか？」
体調悪くなったと思ったんか
客席に背を向けながら俺に囁く
真っ黒に日焼けして
汗だくになりながら
ハの字眉で心配する照史
相変わらず視野が広くて優しい
Aさん
なんも怖くないで
何処で何してても
男らしくて
格好良くて
でも
寂しがり屋で
繊細で
優しい
いつもの照史やで
「イケメン過ぎて見惚れてもた」
そう答えると
恥ずかしそうに笑って
俺の背中をパンと叩いた
次にボイチャしたとき
その話をすると
「知ってるよw」
とクスクス笑うから
彼氏の事を褒められて
知ってるなんて返す2人の関係が
羨ましいなって思ったけど
知ってるからこそ
怖かったんか
照史が一番輝く場所だから
その歓声を聞くのも見るのも怖い
足を引っ張りたくない
泣きはらす照史の背中
初めて知った体調の事
人を想うって難しいな
・
他になんかあるかなぁと
グラスを傾ける流星
「あ、せや」と
片方の口角を上げる
照史は少し身構えた
「姉ちゃん、大型二輪免許持ってる」
「…え？」
「WESTのファンクラブ入ってる
出身大学はK学」
「は？」
「英語もペラペラ
美術館の年パス持っとる
他には…」
気にせず話を続けようとする流星の腕を
淳太が強く引いた
黄「待て待て待て！あいつK学なん？」
青「『淳太くんと同じだよ』言うてたで」
橙「大型二輪持ってるんてホンマなん？！」
青「おん、免許見たから」
驚く2人と
至って普通な流星
温度差が凄いな
そもそも
「流星は何で知っとん」
素朴な疑問やったけど
答えは簡潔やった
「聞いたから」
2人に言ってない理由は
「聞かれなかったから」
学歴なんて30過ぎたら無意味
免許は持ってるけど
バイク持ってないから
言っても仕方ない
そもそも
聞かれてもないのに
わざわざ言うような事じゃない
さっぱりしてる所がAさんぽくて
2人も納得したのか
苦笑いしながらため息をついた
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年9月11日 3時
