40.勘違い ページ41
「完全に勘違いです」
俺の返事に
少し嬉しそうな表情になると
「それならちょっと相談があるんですが」と
体を乗り出しながら話す
「点滴と酸素が外れた時って
退院してもいいんですよ
でも、1人にするは不安だから
いつもは俺の家にいるか実家に帰るんです」
そういえば帰り際
なんか話してたな
「でも俺、明日から一週間出張で。
両親も今は忙しいから
実家にも戻れなくて、
そうなると
病院で過ごす事になるんです」
「ほな、淳太んち泊まったらええやん」
「は？！」
流星の唐突な言葉に
一瞬思考が止まる
「淳太君困ってるじゃんw」
「ほな、俺んち来たらええねん
せっかく退院できるんやから
病院以外ですごさな勿体ない」
流星の状況把握能力と
その次を考えるスピードはホンマに早い
「まぁ泊まるのはともかく
時間ある時だけでも
一緒に居てあげてもらえませんか？」
そこまで言うと
一度ゴクリとツバを飲み込んでから
呟いた
「もしかしたら
…
…
最後の自由時間になるかもしれない」
残された時間を
1秒でも長く楽しい時間を過ごしてほしい
そう震える声で話すお兄さんに
俺と流星は快諾した
・
翌日は
独特の緊張感と焦りに包まれた一日
どこに居るのかも
無事かどうかも分からなかった彼女
今夜は俺の家に来る
事態が急展開過ぎて
イマイチ俺の頭は
ついていけないんだけど
流星は素早く適応して
今日は仕事が昼で終わるから
姉ちゃんと出かけるんや！って
嬉しそうに楽屋から飛び出していった
ハイテンションの理由が分からない
他のメンバーは首をかしげる
まぁ、流星が変なのはいつもの事
「なんか今日はいつも以上に
流星が、流星ぶちかましてんなぁ〜w」
ってのんちゃんのツッコミでみんなが笑った
お兄さんと一緒に流星が病室に行き
これからの話を伝えた
「なぁ姉ちゃん！俺達と一緒に居ようや！
淳太んちか俺んち泊まったらええねん
お出かけいっぱいしよ♪」
泣きながら笑って話す流星に
しばらく困惑していたけど
最終的には
嬉しそうに笑って頷いたと
Aに抱きついた流星の写真と一緒に
お兄さんからメッセージが来た
1時間後
2人でソフトクリーム食べてる動画が
送られてきた
「美味しいー！」
「淳太ええやろー！」
楽しそうに笑う2人
デートやんけ、普通に
つい出た舌打ちは
嫉妬か？w
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年9月11日 3時
