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「そういえば、
病室にJの写真貼ってた事がありました
今考えたら、多分WESTさんです
SNSもずっと見てました
去年の年末に誰か入院したってニュース見て
自分も生死の境彷徨ってる癖に
大丈夫かなって心配してました」
やっぱり見てたんやな
照史を、俺達を
そんな話から
段々話はお兄さんや俺達の話に変わり
流星がお兄さんの腕時計に食いつく
そこから流星ワールドが始まり
何故か同じ空気を纏い始めたお兄さんと
「兄ちゃん」「流星」と呼び合って
時計の話題から服、アクセサリー…
車にたどり着いた今
流星のそういう所
ホンマに尊敬するわ
一瞬でツレかいw
ちょっとした疎外感を感じながら
まぁええかと
テーブルに置かれた箱に手を伸ばす
懐かしいアルバムを取り出して開く
照史の隣で嬉しそうに笑う彼女は
最高にキラキラしてる
2人共
ホンマに幸せそうなのに
この写真なんて
少し照れながら
心から嬉しそうな顔しとる
なのに
2人は別れ
Aは1ヶ月後には…
なんて残酷な未来なんや
滲んだ視界を瞬きで回復させながら
ページを捲ると
俺と2人で撮った写真が出て来た
アイツと居ると
こんなヘラヘラしてるんやな
全然スイッチはいってへんw
俺を見上げて微笑む表情は
さっきの彼女とリンクする
「淳太くん」と俺を呼ぶ声
1年ぶりに聞いた声は
記憶より細く弱くなっていた
彼女の過ごした1年の過酷さを痛感して
また視界が滲んだ時
「中間さんの彼女って、どんな人ですか？」
正面の席で肩を組んで
2人で盛り上がってた筈のお兄さんから
唐突に質問が飛んできた
黄「…え？」
兄「さっきAにハグしたでしょ？
あんな嬉しそうな顔初めて見たから
付き合ったらいいのにって言ったんですよ」
青「はぁ？！ハグ？！
淳太ばっかりズルいやん！」
兄「そしたら
『淳太くんにはプリンセスみたいな彼女がいるんだよ』
って言ってたから」
それを聞いて流星がケタケタ笑い出した
「兄ちゃん、それ姉ちゃんの勘違いやで」
「勘違い？」
「淳太、彼女なんておらへんねん」
「え？でも、婚約者がいるんだよって」
婚約者…？
ホンマにわからん
何の話やねん
「あぁそれ、淳太が一時期右手薬指に指輪してたのを
婚約指輪だと思ってるだけやで
意味もなく薬指につけないって」
なるほど
あの時期に聞かれて
俺は適当に流したんやろうな
それをYESだと捉えたんか
なんか…悔しいな
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年9月11日 3時
