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「流星流星！見てこれ！」
「おわー！兄ちゃんマジでかっけぇ！
俺のはコレ！」
「これ、リミテッドエディションじゃん！
マジで？！」
「必死で予約してん！」
目の前の2人
30分前に会ったばかりで
さっきまで2人共泣いてたのに
このエグ近い距離感なんなんw
・
Aの病室を出た後
「少し飲みませんか？」とお兄さんから誘われた
快諾してさっきの店に戻る途中
流星から再び連絡が
お兄さんの許可を取り
流星も店に呼んだ
相変わらずの丁寧すぎる挨拶を交わし
お兄さんは
流星にも丁寧にAの話をした
何度聞いても胸が痛い
時折「嘘やろ」「マジで」と呟きながら
ボタボタ涙を流す流星
俺よりデカい筈の背中を
小さく丸くして
しばらく泣いていた
少しして
ポツリポツリと話し始めた
「俺…嫌な予感がしてたんです」
Aが記憶飛ばしたあの日
色々話している時に
『再来週になったら色々わかるって
ドキドキするよねw』
と笑っていたとか
「そのちょうど2週間後が
多分告知された日です
照史の…元彼の家に突然行って
泥酔して泣き腫らしていた…」
そうか
それで流星はあの日
カレンダーを見て慌てたんや
「聞いても教えてくれませんでした」
他にも流星は
アイツが記憶を飛ばした時の話もする
事細かに話す内容は
聞いたことがない部分もある
「壊れてしもたって…思ったんです
飲んでる薬が…」
流星の話を真剣に聞いているお兄さんは
悲しそうな表情をしている
「側におったのに…
何も出来なくてすいません」
と流星が頭を下げると
首を横に振り
「側に居てくれただけで十分です
アイツ、寂しがり屋なんで」
優しく微笑んだ
その後、アルコールが入りはじめ
Aのここ1年の
ポジティブな部分を話してくれた
治療は確かに過酷やけど
その合間で体調がいいときは
家族で旅行に行ったこともある
漫才見たいと勝手に大阪行ったり
パンが食べたいと神戸に行ったり
そんで体調崩して
現地の病院運ばれたり
急に居なくなったかと思えば
車でしか行けない
横浜の海を歩いて見に行って
帰れなくなったと電話かかってきたり
「ゴメン」と笑う表情が
いつも悲しそうで
「出来るだけ好きな事を
させてあげたいんですが…
見てるこっちは心配で」
めっちゃわかる
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年9月11日 3時
