30.結果 ページ31
「夏の終わり頃
全ての関係を絶ってきたと
突然実家に帰ってきました」
日付は、照史と別れた2日後
「僕は横浜に住んでいるのですが
妹から実家に来るように言われていました」
そこで家族に
病名と状態が告げられた
誰もが死を連想する病名に
頭が真っ白になった
「この時点で『1ヶ月前にわかった』と
話していました
あまりに重くて
誰にも言えなかった、ゴメンなさいって」
照史と別れた1ヶ月前…
つまり
照史の誕生日2週間前
思い出した
あれだけキチンと距離をおいていたのに
前フリなく照史の家に居た事があった
泣きながら電話してきて
まだ夕方位の早い時間だったのに
泥酔してて「会いたくなった」としか言わなかったやつ
後から問いただしても
ぼんやりしたことばかり言っていた
スキャンダルだけでも
限界超える程やったのに
1人で告知を受けて
1人で心と頭の整理をして
辛かったやろな
どれだけ涙を流したのか
突然照史の所に行ったのは
彼女の全力のSOS
それでも何も話さなかったのは
きっと
傷付けたくないって気持ちが
出てきたんやろうな
『大丈夫、頑張れって言って』
絶対助かるから大丈夫
治療頑張れって意味やったんか
しんど
「家族で沢山話し合って
治療を開始しました」
その治療がどれだけ過酷で辛いものか
お兄さんは涙ならがに話してくれた
俺は真剣に聞きながら
胸が痛すぎて呼吸する事で精一杯だった
「1年治療を続けた結果が一昨日出ました」
「…結果？」
ゆっくり顔を上げたお兄さんは
静かな声で
でもハッキリと言った
「余命1ヶ月と…宣告されました
本人も知っています」
景色がモノクロになった
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年9月11日 3時
