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そこから言葉にならない照史
「姉ちゃんにとって
照史はホンマに特別やってんな」
流星が呟く
「特別に大切やから
何も話さなかったんやろ？
ほな姉ちゃんが抱えてたもん
全部ぶちまけられたら満足なん？」
照史の目を真っ直ぐ見て呟く
文章としてはキツイけど
決して責めてはいない口調
「聞きたいんやったら
俺が知っとる事全部話すで
口止めされてる事も
淳太すら知らん事を全部」
照史は少し目を泳がせて
答えられずに俯いた
その時
「あ、これはええか」
いつもの流星のまま
何でも無いような口調で
全員の眼が丸くなる事を言った
「姉ちゃん、照史の過呼吸知っとんで」
は？
知っとる？
何で？
「流星が言うたんか？」
「ちゃうちゃう
照史、過呼吸大丈夫？
発作出てない？って
聞かれた事があんねん」
照史と神ちゃんに視線を合わせると
2人とも首を横に振った
「誰に聞いたんか言うてたか？」
「照史と淳太が話してるのを
たまたま聞いた言うてたで
2人は気付いてないけどって」
それを聞いて瞬時に思い出す※
アイツが倒れた数日後
俺にお礼が言いたいって
飲みに行った時や
照史の膝枕で寝てると思ってたけど
起きとったって事か
「心配掛けたなくないから言わないって
その気持ちはよく分かるってさ
私が原因なのかなって
不安そうやったから
全然ちゃうって言うといた」
Aとの関係で悩んで過呼吸になって
病院運ばれた
その全てを知ってるんかと焦ったけど
そこまでは知らんみたいやし
流星のフォローも的確で
ほんの少しホッとした
でも…同時に腑に落ちて愕然とした
アイツが照史を庇う理由
手を離そうとする理由
あの時、照史は不安が募って
「俺がAを苦しめてるんちゃうんか」
なんて口にした
そんな照史を俺は責めた
照史の仕事も人生も
更に
メンバー全員の人生までも
必死で守ろうとした彼女
自分の事で深く悩む彼氏も
メンバー同士で揉める姿も
全部近くで聞いてたって事か
最悪や
照史も顔が青ざめている
スマン
A、本当にスマン
聞かせたらアカン事を
一番間近で言うてたんは
俺と照史
起きてるかもって想像は出来たのに
そんな話をしていた俺達が悪い
お前のせいちゃう
絶対にお前は悪くない
参考※太陽のようなあなた8 No.340
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年9月11日 3時
