27.黄色Side 苗字を設定してください★ ページ28
流星、照史、俺の誕生日が終わって
街路樹からの落ち葉で
歩道が赤や黄色に染まり始めた季節
今日は珍しく早く仕事が終わった
普通の会社員の就業時間くらい
誰かと飯でも行こうかな
この前連絡先交換した後輩
他番組の共演者さん
隣りで衣装のまま寝転がってる流星…
はよ着替えて帰れやw
…いや、今日は疲れたから大人しく帰るか
そんな事を考えながら
着替え終わって立ち上がった瞬間
手の中で震えるスマホ
またや
昨日も掛かってきた謎の電話
誰やねん
「どしたん」
画面を見ながら
出ようとしない俺を不思議がって
流星が話しかけてきた
てかコイツ
いつの間に着替えてん
黒いロングコート
黒いパンツと靴
つばの広い帽子
似合ってるけど
季節的に何かのコスプレしとるみたいやでw
「この番号、昨日の夜も掛かってきてん」
隣に立つ流星に画面を見せると
一度切れたそれは
再び俺のスマホを揺らす
留守電には何も残さないけれど
鳴らす時間は長い
「一度出たら？
前の共演者とかかも知らんで」
という流星に後押しされ
通話ボタンを押した
「…もしもし」
流星に負けない低音で
全力警戒モード
「突然のお電話、失礼致します。
中間…淳太さんのお電話で
間違いございませんでしょうか」
とても丁寧で優しそうな男性の声
年齢は俺達とさほど変わらない感じ
隣で流星が眉間にシワを寄せながら
スマホに耳を寄せている
「…どちら様でしょうか」
いたずら電話ではなさそうやけど
電話番号が漏れてマスコミって事も
無くはない
悪意は見えるまでの過程は
逆に丁寧だったりするから
警戒モードを解かずに聞き返すと
慌てた様子で話した内容に
俺はスマホを落としそうになった
「あ、失礼いたしました！
自己紹介が遅くなりました
私、AAの兄、A隼人と申します」
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年9月11日 3時
