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みんなから話を聞いた後
しばらくは俺も流星も照史も
アイツを探していた
同じ大学って分かったから
そこら変に声を掛けて聞いたけど
学部だけが分かって
今でも連絡取ってる奴はおらんかった
流星がアイツの会社に
客のふりして電話を掛けると
照史と別れる1週間前
部屋を引き払った日と同じ日に
仕事を辞めていた事がわかった
それ以上
何も足取りが掴めなくて
いつの間にか
俺達の中でも話題にも上がらなくなった
いや
敢えて触れないようにした
照史が懸命に前を向こうと
頑張ってるのがわかるから
・
「ニュースなんて…見てへんとええな」
布団に視線を落として
小さく呟く
「無理やで
今日、日曜日やろ？
昼まで寝て、目ぇ覚めても布団の中で
SNS三昧や」
Aのいつものルーティン
寝れるだけ寝る
極力動かない
ほっといたら飯すら食わん
改めてみても
照史とは正反対の性格やな
ホンマに真逆
照史は、俺の言葉にケタケタ笑うと
「笑っとって欲しいわー
俺、Aの笑った顔好きやねん
ニュースなんか見んと
Y○uTubeでも見とったらええ」
と寂しそうに言った
「好きなのは笑った顔だけちゃうやろw」
直球で突っ込むと
少し間をおいてからフッと笑い
「幸せでおってくれたら…なんでもええわ」
と小さい声で呟く
「俺が幸せにする！とは言わんのかw」
明るく茶化すと
一段と寂しそうな表情になって
「出来ひんかったからな
もう…終わった話や
俺には…何も出来ん」
俺から視線そらし
反対にある窓に目を向けた
『終わった話』
その言葉を発したことに
俺は心底驚いた
そして
悲しくなった
終わってしもたんか
照史の中でも
終わらせてしもたんか
あんなに想い合っていたのに
あんなに幸せそうやったのに
そう思ってないと立ち直れないから
敢えて言葉にしたんかもしらんけど
それでも
これだけは訂正する
「出来ひんかったは嘘や
そんなん言うたらアカン
アイツ、何度も何度も言うてた
照史には沢山幸せ貰ってるって」
「…」
「結局、一度も照史への愚痴を聞かんかった
格好良くて優しくて完璧って
何度も何度も俺とか流星に言うてた
聞いてるこっちが恥ずいってw」
「…w」
「しんどいのは分かるけど、
2人で過ごした時間を否定したらアカン
人生で一番幸せな時間やったて
言うてたんやろ？」
「…おん」
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年9月11日 3時
