向日葵みたいな君 (ページ13)

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12. ページ13

それを口に出そうとした時

まるで俺が…いや
全員が頭に浮かんだ事を
全部理解した上で
それを言わせないように

流星は優しい答えを口にした

「しんどい時に
　根掘り葉掘り聞いたりせんと
　側に照史が居ったんやから

　安心したやろな…姉ちゃん」

その言葉を聞いて
また涙を流す照史

せやな
きっとそうや

悪い事ばっかり考えとる俺とは違って
流星の答えは誰も傷付けない

首から下げた電子タバコを手に取り
一回フワリと吹かすと

また静かに口を開く

「姉ちゃんな
　結構俺たちの番組見とんねん

　テレビあんまり見やんけど
　WESTのは面白いから必ず見る言うてた」

確かに
何度か番組の話をしてたな

照史のドラマも見とったし
濱ちゃんのドラマも
しげのドラマも

レギュラー番組も

俺達が出てるから見るんやなくて
純粋に面白いから見とる言うてた

『淳太くんは
　あんまり変わんないけど

　仕事スイッチ入ってると
　オバQじゃなくなるね』

『ほな、お前と居るときの俺は
　常にオバQなんかw』

『この前は店員さん見て
　ニヤニヤしてたから変態オバQ』

『はぁ〜？！
　お前にだけは言われた無いわ！

　新入りの店員が格好いいからって
　名前聞き出した奴が！』

『イケメンと喋りたいじゃん！』

『ほな俺と喋れや！』

まだ照史と付き合う前
いつかの何気ないやり取りを思い出して
フフッと笑いが溢れる

青「どっかで俺達の番組とかSNS見て笑ってるで、絶対」

黄「せやな
　きっと俺の事、変態オバQ言うてるわ」

青「まぁ淳太は常にエロオヤジやけど」

緑「テレビで漏れただけやんな」

黄「漏れたて！」

俺達の言い合いを聞いて
照史が笑う

そのタイミングで
流星が照史をまっすぐ見て言った

「なぁ照史
　無理は絶対したらあかん

　でも
　カメラの前では出来るだけわろとけ

　姉ちゃんが好きな照史の笑顔
　ちゃんと見せたれ

　それが一番喜ぶ」

せやな

それが一番ええ

俺達を守ってくれたアイツに
仕事が楽しくて順調やって見せたるのが

俺達に出来る唯一の事

せっかく笑った照史が
頷きながらまた泣き出したw

なぁA

照史の事は俺達がなんとかする
頼もしい弟が側に居る

きっと沙耶ちゃん達も
全力で照史を守る

やから心配せんでええからな

何処に居るんかも
何しとるんかもわからんけど

心配でたまらんけど

照史の笑顔見て
俺達のアホな姿見て
1秒でも多く笑っててくれ