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青「せやな
思いたくないけど
誰もNOとは言えない状況って事は
ビジネスとしては正しいんかもな」
緑「照史…ごめんな
しんどい思いさせてもて」
泣きはらす照史は
首を横にブンブン振った
橙「俺も答え出せてないし
引き留めもせんかった
事務所に抗おうともしてない
体調悪い理由も怖くて聞けなかった
それに
この事が無くても
最初から期限付きやったから
それは俺とAの問題や
その期限にすら俺は…」
性格が真逆な事
年齢の事を考えて
責任とるなんて思ってほしくない
そう言って期限をつけたA
最後まで照史は
その期限について触れなかった
真逆の自分が手を離す事が
Aの為になるって
照史自身も少なからず思っていたから
「俺が苦しめてるんちゃうんか」
そう言った照史
聞いていたA
避けられない別れではあったんかもな
「照史、反省する所間違ってるで」
「ん？」
「引き留めんのも
答え出せへんのも悪い事ちゃう
体調は照史には知られたく無かったんやから
聞いても答えへん
聞かずにフォローしてたんやから
むしろ正確やろ
悪いんは、写真破いた事と指輪捨てた事や」
流星の真っ直ぐな言葉に
照史はバツの悪そうな顔をした後
少し笑って「せやな」と言った
そして「俺なぁ」と言葉を続ける
「俺、この仕事好きや
いいメンバーに巡り会えたし
みんなとずっと仕事したいと思ってる
でも」
何度か深呼吸をし
涙と涙の隙間から
裏返る声を必死に絞り出した
「ホンマはAと…ｯ…もっと一緒に居りたかっ…
しんどい時に側に居りたかった
側に居って欲しかった
隣で笑ろててくれるだけで…ｯ」
悲痛な照史の叫びに
流星は眉間にシワをよせ
神ちゃんが泣きながら背中を撫でる
俺も視界が歪んだ
「もしまた…会えたなら
せめて謝りたい…ｯ…写真と…指輪…ｯ」
神ちゃんがウンウンと頷く
「一回…みんなで話し合おか
もう誰も、こんな思いせんでええように」
半数が30代になった俺達
これから結婚したいって
他のメンバーが思った時
悲しい選択をしなくていいように
事務所の方針とかじゃなくて
俺達の中でどうするか
一度話し合おう
相変わらず冷静な流星が
静かに言うと
神ちゃんが流星を見ながら
さっきより大きく頷いた
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年9月11日 3時
