01.黄色side あの日の事 ページ2
アイツが居なくなって10日
誰一人
痕跡すら見つけられなかった
最後に会ったのは
もちろん照史
でも
ここ2ヶ月で一緒に居たのは
流星が圧倒的に多い
各々が持ってる情報に
何かヒントがあるかもしれないから
一度みんなで話そうと
流星と2人で照史の家に向かった
・
部屋に入ると
とてもいい匂いで満たされている
神ちゃんと照史が2人で
料理を作っていた
「美味そー！」
「お！流星おつかれ！」
「2人共腹減ってるやろうから
飯作っといた」
「減った減った！」
「淳太もおつかれさん
ほら、座って！」
少し緊張していた気持ちは
美味そうな料理と匂い
他愛もない仕事の話
久しぶりに見た照史の笑顔に
和らいで行くのを感じた
・
飯が終わって
ローテーブルに移動
神ちゃんが
「俺の情報から落とすわ」と言って
パソコンを開く
ゲーム仲間やった2人
フレンド？とかいう
仲間みたいなのになっていて
一緒によくオンラインゲームをしていたらしい
「2人が別れた日
俺にギフトが届いててん」
そう言って見せられた画面には
スタイルのいいアバターが立ってる
「コレ」といって指差した先にある
プレゼントBOX
開けると中には
様々な武器と共にカードが入っている
「コレ、Aさんが使ってた武器やねん」
「姉ちゃんが使ってた？」
「おん。全部ギフトされた」
神ちゃんが言いたい事が
イマイチ分からない
同じく良くわかっていない照史を
神ちゃんが真っ直ぐ見て言った
「かなりの金と時間掛けて
めちゃめちゃ強化した武器も防具も
限定レアアイテムも
全部俺に渡してアカウント消してん」
神ちゃんが知ってるAのアカウント
全てが消え
ギフトに手紙が入っていた
「ともくん
捨てるにはなんだか勿体ないから
全部ギフトします
一緒にプレイ出来て楽しかった！
本当にありがとう
元気でね
幸せであれ！」
最後に一緒にプレイしたのは
1ヶ月くらい前
周りのゲーム仲間に聞くと
ここ2週間くらいは
彼女もログインしていなかったとか
SNS
スマホ
家
ゲームアカウント
これで彼女と繋がる全てが消えた
俺達と切ろうとしたというか
全てを切ろうとした…？
神ちゃんの話を
表情変えずに聞いていた流星が
「照史、最後に会った時
姉ちゃんとどんな話したんか
全部教えてくれ」
そう照史に振ると
視線を床に落として
静かに話し始めた
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年9月11日 3時
